PHP は、WordPress をはじめ多くのホームページの仕組みを動かしているプログラミング言語です。サーバーに入っている PHP にはバージョンがあり、サポートが終わった古いバージョンには、弱点(脆弱性)が見つかっても修正が出ません。
この記事では、自社のサイトの PHP のバージョンの確かめ方、PHP 公式のサポート期間、レンタルサーバーで上げるときの手順と注意点を、公式の説明で確かめられる範囲で整理します。
PHP のバージョンを確かめる
WordPress なら、管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブ →「サーバー」で、サイトが使っている PHP のバージョンを見られます(WordPress 公式の「PHP を更新しよう」の説明)。この画面は表示だけで、ここから設定は変えられません。
レンタルサーバーの管理画面でも確かめられます。主な会社の、確認と切り替えの場所は次のとおりです(各社の公式マニュアル)。
| サーバー | 場所と注意書き |
|---|---|
| エックスサーバー | サーバーパネルの「PHP Ver.切替」。ドメインごとに「変更後のバージョン」を選んで設定する。8.2 系は「旧バージョン」で、新しく使うのは勧めないとしている |
| さくらのレンタルサーバ | コントロールパネルの「スクリプト設定」→「言語バージョン設定」。不具合が出たら古いバージョンを選び直せば元の環境に戻せる |
| ConoHa WING | サイト設定の「応用設定」→「PHP設定」。ドメインごとに変えると .htaccess に「AddHandler」から始まる記述が入り、消すと不整合が起きることがある |
| ロリポップ! | ユーザー専用ページの「サーバーの管理・設定」→「PHP設定」。反映まで 5〜10 分。PHP 7.1 未満から上げると元に戻せない。ステージング環境で先に表示を試せる |
PHP のサポート期間
PHP 公式の「サポートしているバージョン」によると、PHP の各系統は、最初の安定版から 2 年間は通常のサポート、その後の 2 年間は重大なセキュリティの問題だけの修正が続き、合わせて 4 年でサポートが終わります。
| バージョン | セキュリティの修正が出る期限 |
|---|---|
| 8.5 | 2029 年 12 月 31 日 |
| 8.4 | 2028 年 12 月 31 日 |
| 8.3 | 2027 年 12 月 31 日 |
| 8.2 | 2026 年 12 月 31 日(まもなく終了) |
| 8.1 以前 | 終了(8.1 は 2025 年 12 月 31 日、7.4 は 2022 年 11 月 28 日) |
WordPress 公式の「動作要件」は、PHP 8.3 以上を勧めています。古い環境向けに 7.4 以上でも動くとしていますが、それらのバージョンはサポートが終わっていて、サイトが攻撃に弱くなるおそれがあるとしています。
今のバージョンごとの判断
- 8.1 以前 セキュリティの修正が出ません。2026 年 10 月の PHP の重大な脆弱性でも、8.1 以前には公式の修正版が出ていません(経緯と各社の対応)。IPA は、修正が出ないバージョンを使っている場合は、サポート中の PHP への更新や移行を検討するよう呼びかけています。急いで上げる計画を立てます。
- 8.2 2026 年 12 月 31 日でセキュリティの修正も終わります。年内に 8.3 以上へ上げる計画を立てます。
- 8.3 以上 サポート期間内です。そのうえで、細かい版が修正版になっているか(2026 年 10 月の件なら 8.3.36・8.4.27・8.5.12 以上)を、サーバー会社のお知らせとあわせて確かめます。
PHP を上げる手順
WordPress 公式の「PHP を更新しよう」は、PHP の更新はふつうは問題にならないものの、テーマやプラグインがすべて新しいバージョンで動くとは保証できないとしたうえで、次の手順を勧めています。
- サイトのバックアップを取る。問題が起きたときに今の状態へ戻せるようにする(バックアップの取り方と戻し方)
- WordPress 本体・テーマ・プラグインを最新にする。新しい版ほど新しい PHP に対応している
- テーマとプラグインが新しい PHP で動くかを確かめる。WordPress 公式は「PHP Compatibility Checker」というプラグインを挙げているが、完全ではなく見落としや誤検知があるとしている
- レンタルサーバーの管理画面で PHP のバージョンを切り替える。ステージング(テスト環境)が使えるサーバーなら、先にそこで試す
- トップページ・主なページの表示、問い合わせフォームの送信、管理画面へのログインと投稿を試す
- 表示が崩れたり動かなくなったりしたら、元のバージョンに戻して、原因のテーマやプラグインを制作会社や保守の担当に相談する
エックスサーバーのよくある質問は、PHP を切り替えてからサイトが正しく表示されなくなった場合、プラグインやテーマがそのバージョンに対応していない可能性があり、最終更新から長く経ったプラグイン・テーマは PHP 8 に対応していない可能性があるとしています。
上げられないときは
古いテーマや、開発が止まったプラグインが原因で上げられないことがあります。そのままにせず、テーマやプラグインの入れ替えも含めて計画を立てます。プラグインの確かめ方は 「WordPress のプラグインの脆弱性」、更新を続ける体制の考え方は 「ホームページの保守」 で整理しています。
作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド
作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。
- オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 要件を渡せば設計から任せられます。自社に合わせて一から作りたい場合や、撮影・原稿まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
- 自分で作る(自作) 費用は抑えられます。そのかわり、PHP のサポート期間を追い、切り替えと動作確認を公開後もずっと自分で続けることになります。
- 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 構成・更新の仕組み・入口が組まれた状態を実物で確かめ、社名・写真・文章を差し替えて公開します。完成形を先に確認してから決めたい場合に向きます。この記事の集計は、その実際のサイトのデータです。