最終更新:10 月 23 日 12:38(日本時間)
新しい出来事が公表されるたびに、一覧の上に足していきます。
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ここ数か月、ホームページの仕組みの重大な弱点(脆弱性)の公表と、大規模な情報流出の公表が続いています。この記事では、2026 年 7 月以降に起きたサイバー攻撃・不正アクセス・情報流出のうち、被害を受けた組織や開発元、公的機関の発表で確かめられたものを新しい順に並べ、会社のホームページの持ち主が見直すことを添えます。
最近の傾向
- サイトの仕組みそのものの重大な弱点が続いた 7 月の WordPress(wp2shell)、10 月の Movable Type、PHP(PHP2Shell)と、多くの会社のサイトが使う仕組みで重大な脆弱性が続きました。wp2shell は公表のあと実際に悪用され、大学や企業のサイトの改ざん・情報流出が公表されています。弱点は公表されてから悪用されるまでが短いため、更新を続ける体制が要ります(保守の記事)。
- 使っている外部サービス経由の流出が大きい Web 制作サービス、EC サイトの構築サービス、予約管理、後払い決済など、多くの会社が共通で使うサービスで不正アクセスが起き、それを使っていた側の顧客の情報まで流出しました。自社で作ったサイトでなくても、集めた個人情報についての説明は集めた側に求められます。
- 流出した情報を使ったなりすましが増えている 予約や購入の情報を使い、本物の店や施設を装って偽サイトへ誘うメッセージが確認されています。フィッシング対策協議会への 9 月の報告は 94,661 件で、前の月より増えました。
最近のサイバー攻撃・情報流出(新しい順)
被害を受けた組織・開発元・公的機関の公式の発表で確かめられたものだけを載せています(日付は公表日)。右の列の「サイトの持ち主がやること」は、その出来事から中小企業のホームページの持ち主が見直したいことを、この記事で整理したものです。
| 公表 | 何が起きたか | サイトの持ち主がやること |
|---|---|---|
| 10 月 23 日 その他 |
JPCERT/CC(相次ぐ不正アクセスの注意喚起を更新) AI を使った侵入テスト(ペネトレーションテスト)の仕組みを悪用し、公開された Web アプリの脆弱性を探したり、設定ファイルやバックアップファイルを盗もうとしたりする攻撃の試みを追記 |
弱点探しは自動で大量に行われている。公開領域に設定ファイルやバックアップを置かず、CMS・プラグイン・PHP は修正版が出たらすぐ上げる |
| 10 月 22 日 情報流出 |
デジタル庁(ホームページの問い合わせフォーム/Studio 経由) ホームページ運営の一部に使っていた Studio の不正アクセスで、2021 年 5 月〜2023 年 3 月に問い合わせフォームへ入力された内容(一般の意見・要望は最大 8,833 件)などが漏えいした可能性 |
何年も前のフォームの回答が外部サービスに残っていた。回答はサービス上に溜めず、使い終えた古い回答は定期的に消す |
| 10 月 22 日 情報流出 |
カプコン(会員サービス CAPCOM ID) 不正アクセスで全世界 11,774,247 件のメールアドレスなどが漏えい。196 件はログインのパスワードを不正に変えられていた。カード情報は対象外 |
会員のメールアドレスが漏れると、自社を装ったメールが送られうる。自社から送るメールの差出人と URL を公式サイトに書き、なりすましへの注意を早めに出す |
| 10 月 22 日 脆弱性 |
PHP(The PHP Group)/PHP2Shell PHP の 2 件の脆弱性(CVE-2026-109618/109619)で任意のコード実行の恐れ。8.2〜8.5 系に修正版。8.1 以前は修正版なし |
サーバー管理画面で PHP の版を確認し、8.2.35 / 8.3.36 / 8.4.27 / 8.5.12 以上へ。8.1 以前なら移行を急ぐ。レンタルサーバーのお知らせも確認 |
| 10 月 21 日 不正アクセス |
GMO インターネット(お名前.com デスクトップクラウド) FX の取引ツール向けのクラウドサーバーに不正なプログラムを置かれ、全プランを停止。影響の可能性は 26,739 台。サーバー内に保存した取引口座のログイン情報が悪用された可能性 |
サーバーにパスワードを保存したままにしない。預けたサーバーで事故が起きたら、そこに置いた認証情報をすべて変える前提で、何を置いたかを控えておく |
| 10 月 21 日 情報流出 |
リクルート(中古車情報サイト カーセンサーnet・販売店向け C-MATCH) 外部からの不正アクセスで、販売店への問い合わせなど最大 3,709,551 件の個人情報が漏えいした可能性。17 日から関連サービスを停止 |
掲載や受付に使う外部サービスの事故で、自社の顧客や自社の情報も流れる。登録しているサービスの一覧と、そこで使っているパスワードを控えておく |
| 10 月 21 日 情報流出 |
Helpfeel(画像共有サービス Gyazo) 画像アップロードサーバーの脆弱性で任意のコマンドを実行され、DB のユーザー情報約 2,362 万件と画像のメタデータが外部に送信された |
アップロード機能は危険度が高い。ファイル受付のあるサイトは処理部品を更新し、受付サーバーから顧客 DB へ直接届かない構成に |
| 10 月 20 日 情報流出 |
トラストバンク(ふるさと納税サイト ふるさとチョイス) 17 日の不正アクセスで、会員の氏名・住所・メールアドレス・電話番号・ハッシュ化されたパスワードなど 4,454,097 件が外部に流出。19 日から関連サービスを停止 |
パスワードを暗号のような形で保存していても、同じ組み合わせの使い回しが狙われる。会員機能のあるサイトは使い回しをしないよう案内し、管理画面は二要素認証に |
| 10 月 19 日 不正アクセス |
TeamUpdraft(WordPress プラグイン UpdraftPlus の運営元) 運営元への不正アクセスで UpdraftCentral の接続キー等が読まれた恐れ。接続を悪用され利用者サイトに管理者作成・不正プラグイン設置 |
便利な一括管理・連携サービスは「合鍵」。使っていない連携は切り、管理者ユーザーとプラグイン一覧に覚えのないものがないか定期的に見る |
| 10 月 19 日 フィッシング |
フィッシング対策協議会(2026 年 9 月の報告状況) 9 月のフィッシング報告は 94,661 件で前の月より増加。Amazon をかたるものが約 33%。なりすまし送信の割合も増加 |
自社ドメインで SPF・DKIM・DMARC を設定し、なりすましメールを受信側で弾けるようにする。顧客への連絡手段と URL を公式サイトに明記 |
| 10 月 16 日 その他 |
IPA(不正アクセス特別相談窓口の開設) 相次ぐ漏えいを受け、被害を受けた・疑いのある企業や組織向けに初動対応を支援する「不正アクセス特別相談窓口」を電話・メールで開設 |
被害が疑われたときの相談先(IPA の窓口・サーバー会社・制作会社)を平時からメモしておく |
| 10 月 16 日 情報流出 |
Studio(ノーコード Web 制作サービス) クラウド環境への不正アクセスで全利用者の情報が流出した可能性。フォームの送信内容、API キー、パスワード保護ページのパスワード等も対象 |
制作サービスに預けたフォーム回答や連携キーも流出しうる。キーの再発行、プレビュー URL の削除、フォーム回答をサービス上に溜めない設定を |
| 10 月 16 日 情報流出 |
埼玉県(さいたま緑の森博物館/Studio 経由) 博物館が申込・問い合わせ受付に使っていた外部サービス(Studio)の不正アクセスで、取得した個人情報 162 件が漏えいした可能性 |
委託先・外部サービスの事故でも、個人情報を集めた側(自社)が利用者への説明と報告をする。使っているサービスと集めている情報を把握しておく |
| 10 月 16 日 情報流出 |
Eストアー(EC サイト構築サービス「ショップサーブ」) アプリの脆弱性を悪用され 5/21〜8/1 に DB 情報が外部送信。7,858 店・約 2,335 万人分、うち約 209 万人はカード情報の一部を含む |
EC はカード番号を自社(自店)で持たない方式を選ぶ。管理画面は二要素認証を有効に。利用中の EC 基盤の事故情報を見逃さない |
| 10 月 16 日 情報流出 |
アドベンチャー(旅行予約サイト skyticket) 不正アクセスで、2018 年以前に削除したはずのカード情報が決済のログに残っていて取得された(最大 6,140 名)。第 1 報を訂正 |
「消したつもり」のデータがログやバックアップに残っていないか確認する。不要になった個人情報は保存場所ごと消す |
| 10 月 16 日 情報流出 |
ヤマト運輸(クロネコ代金後払いサービス) 後払いサービスへの不正アクセスで購入者情報約 526 万件、届け先約 5 万件、加盟店約 4,100 件が持ち出された。カード・パスワードは含まず |
通販事業者は、使っている決済・後払いサービスの事故で自社の顧客にも連絡が要る。顧客へ「当社を装った連絡に注意」と案内する文面を用意 |
| 10 月 15 日 情報流出 |
ソースネクスト(会員情報) 会員情報取得 API を不正に利用され、メールアドレス・パスワード・氏名・住所など最大 22,519,960 件が流出した可能性 |
同じパスワードの使い回しをやめる(社内の管理画面・サーバー・メールも)。会員機能を持つサイトは API の権限と回数制限を点検 |
| 10 月 14 日 脆弱性 |
SiteGuard Server Edition(EGセキュアソリューションズ) ホスト型 WAF の統計機能に OS コマンドインジェクションの脆弱性。root/SYSTEM 権限でのコマンド実行の恐れ。悪用を確認 |
守るための製品(WAF 等)も更新対象。サーバーに入れている製品の一覧を持ち、更新前に痕跡(診断情報)を保存してから直す |
| 10 月 13 日 不正アクセス |
京都教育大学(Web サイト改ざん) 学科・附属学校など 6 サイトが wp2shell の悪用で不正侵入され一部ページが改ざん。侵入用の PHP ファイルが設置された |
部署別・キャンペーン用など「本体以外の WordPress」も洗い出して更新する。止めたまま放置しているサイトこそ危ない |
| 10 月 9 日 その他 |
IPA(不正アクセスによる漏えい事案を踏まえた対策) 金融機関や通信事業者等で漏えい公表が相次ぐとして、外部公開アプリ・利用中の外部サービス・保有データの速やかな点検を呼びかけ |
自社が使う外部サービス(フォーム・予約・メール配信・EC 等)を一覧にし、アカウントと権限、保存されている個人データを点検する |
| 10 月 8 日 その他 |
JPCERT/CC(国内組織で相次ぐ不正アクセスへの注意喚起) 2026 年 9 月前後に国内で不正アクセスによる個人情報漏えいが相次いでいるとして、既知の脆弱性探索・API 悪用・Web シェル設置などの手口と対策を公表 |
使っていない管理機能・古いバックアップや設定ファイルを公開領域に置かない。保存期間を過ぎた個人データは消す |
| 10 月 8 日 情報流出 |
ローソン(ローソンID・ローソンアプリ予約) アプリ関連システムが不正に利用され、ローソン ID の 215 万 5,345 件(メールアドレス・氏名等)とアプリ予約 26 件の情報が漏えい |
アプリやマイページで「本人にだけ見せる」仕組みが破られると一気に漏れる。会員機能は本人確認の仕組みを第三者に診断してもらう |
| 10 月 7 日 脆弱性 |
Movable Type(シックス・アパート) Movable Type のアップグレードスクリプトとサイト内検索に、リモートコード実行や不正な SQL の恐れがある脆弱性。サポート終了版も影響 |
MT のサイトは版を確認し最新版へ。すぐ更新できなければ mt-upgrade.cgi / mt-search.cgi 等を削除または実行権限を外す緩和策を |
| 10 月 7 日 不正アクセス |
手間いらず(宿泊施設向け予約管理システム TEMAIRAZU) 予約管理システムへの不正アクセスで宿泊者の氏名・連絡先・宿泊日等が閲覧・取得された可能性。施設を装うメッセージで偽サイトへ誘導 |
予約者の情報を使った「本物らしい」詐欺メッセージが来る前提で、予約確認ページや予約メールに「当館はカード情報の再入力を求めない」と明記 |
| 9 月 25 日 ランサムウェア |
両毛システムズ(社内システム) VPN 機器のアカウントを悪用した侵入によるランサムウェア攻撃。取引先の顧客・問い合わせ事業者・従業員などの個人情報が漏えいした恐れ |
VPN やリモート接続のアカウントは多要素認証と不要アカウントの削除を。社外から入れる入口を棚卸しする |
| 9 月 14 日 不正アクセス |
株式会社東産業(公式サイト) 公式サイトで Web サイトの脆弱性を悪用した不正アクセスを確認。対象はお問い合わせフォームで取得した顧客情報。IPA の wp2shell 注意喚起へリンク |
中小企業のコーポレートサイトでも、問い合わせフォームの中身が狙われる。フォームの受信データをサイト内に溜め続けない(メール転送後に消す等) |
| 9 月 ランサムウェア |
警察庁(令和8年上半期のサイバー脅威の情勢) 2026 年上半期のランサムウェア被害報告は 123 件で半期として過去最多。被害企業の約 6 割が中小企業、侵入経路は VPN 機器が約 5 割 |
「うちは小さいから狙われない」は通用しない。バックアップを攻撃の届かない場所にも取り、復旧手順を一度試す |
| 8 月 27 日 脆弱性 |
エックスサーバー(wp2shell へのサーバー側対策) wp2shell の攻撃経路(REST API のバッチエンドポイント)への通信を 7/19 に遮断。暫定措置とし、利用者に本体の更新を要請 |
サーバー会社の暫定対策は「時間かせぎ」。本体の更新は自分(または制作会社)がやる。契約しているサーバー会社の障害・重要なお知らせを定期的に見る |
| 8 月 14 日 脆弱性 |
Metabase(BI ツール) 認証なしで細工したリクエストにより管理者権限を取得される恐れの SQL インジェクション。ゼロデイ攻撃を確認 |
社内向けの集計・管理ツールもネットから見えていれば攻撃対象。外に出す必要のない管理画面は IP 制限などで閉じる |
| 7 月 30 日 脆弱性 |
Ruby on Rails(Active Storage)/KindaRails2Shell Rails の Active Storage に、細工した画像のアップロードでファイル読み取り・リモートコード実行に至る恐れの脆弱性。攻撃コード公開 |
独自開発の会員・予約システムは、使っている部品(フレームワーク)の更新を誰がやるか契約で決めておく |
| 7 月 22 日 脆弱性 |
WordPress/wp2shell WordPress 本体の 2 件の脆弱性の組み合わせ「wp2shell」で、管理者権限なしに遠隔でコード実行の恐れ。悪用も確認 |
WordPress のダッシュボードで版を確認し 6.9.5 / 7.0.2 以上(現在はさらに新しい版)になっているか見る。自動更新が効いていると決めつけない |
PHP の脆弱性(PHP2Shell)については、サーバー会社やサービスごとの対応状況を 別の記事 にまとめています。
中小企業のサイトで今すぐ見直すこと
上の出来事から、会社のホームページで見直したいことを 6 つにまとめました(この記事での整理)。
- WordPress・テーマ・プラグイン・PHP が最新か確かめる。PHP は公式のサポート期間内のバージョンにする(プラグインの脆弱性の確かめ方・PHP のバージョンの確かめ方)
- 使っている外部サービス(フォーム・予約・EC・メール配信・制作サービス)を一覧にし、それぞれの事故のお知らせを見られるようにする
- 問い合わせフォームの受信内容や古い顧客データを、サイトやサービスの中に溜めっぱなしにしない
- 管理画面・サーバー・ドメイン・外部サービスのパスワードを使い回さず、2 段階認証を有効にする。使っていない連携やアカウントは消す
- バックアップを、サーバーとは別の場所にも残し、戻せるかを試す(バックアップの取り方と戻し方)
- 被害が疑われたときの相談先(サーバー会社・制作会社・IPA の相談窓口)と、顧客への連絡のしかたをメモしておく
最初に整える対策は 「ホームページのセキュリティ対策」、なぜ続ける体制が要るのかは 「ホームページの保守」 で整理しています。
作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド
作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。
- オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 要件を渡せば設計から任せられます。自社に合わせて一から作りたい場合や、撮影・原稿まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
- 自分で作る(自作) 費用は抑えられます。そのかわり、ここに並ぶような脆弱性の公表を追い、更新とバックアップを公開後もずっと自分で続けることになります。
- 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 構成・更新の仕組み・入口が組まれた状態を実物で確かめ、社名・写真・文章を差し替えて公開します。完成形を先に確認してから決めたい場合に向きます。この記事の集計は、その実際のサイトのデータです。