公開したあとに自分でできることは、作る前に決まっています。更新の仕組みを持っていないページは、文章を 1 行直すにも依頼が要ります。
この記事は、公開後 1 年に何が起きるかを先に書き出し、自分でできる更新と外注(依頼)に回す作業の分け方、必要な仕組み、維持費(払い続ける費用)、担当の決め方を、実際のサイトの更新機能のデータで整理するものです。
公開後 1 年で増える情報を書き出す
運用の量は、サイトの大きさではなく「増える情報の種類」で決まります。まず、自社で 1 年のうちに増えるものを書き出してください。
更新は、サイトの信頼性についての指針にも入っています。スタンフォード大学の研究チーム(Web Credibility Project)が研究をもとにまとめた指針(2002 年)には「内容をこまめに更新する(少なくとも、最近見直したことを示す)」が挙げられ、最近更新・見直しされたことが分かるサイトほど、人は信頼しやすいと説明されています。お知らせや実績を足し続けるのは、この「最近も動いている会社だ」と伝える手段にもなります。ただし日付だけを新しくするのは逆効果です。Google は、内容を実質的に変えていないのに新しく見せるためにページの日付を変えていないか、を自己点検の問いに挙げています。
- 告知(営業日・休診日・キャンペーン・採用の募集)
- 積み上がる実績(施工事例・症例・納入事例・作品)
- 人の入れ替わり(スタッフ・担当者・資格)
- 値段と条件(料金表・プラン・対応エリア)
1 つも当てはまらない会社はほとんどありません。逆に、4 つすべてが毎月増える会社も多くはありません。当てはまるものだけに仕組みを用意します。
更新の仕組みは 3 種類しかない
自分で更新するための仕組みは、大きく 3 つです。括弧内は、今回集計したサイトがその機能を持っている割合です。
- お問い合わせフォーム(搭載率 99%) 受け取る側の仕組みです。運用で触るのは送信先と自動返信の文面で、どちらも公開前に決めておきます。
- お知らせ・ブログ(搭載率 87%) 文章だけで足せる一覧です。告知が年に数回でもあるなら、これがないと毎回依頼になります。
- 専用の投稿タイプ(搭載率 68%) 実績・診療科目・スタッフのように、同じ形で増えていくものを一覧にします。増える前提のものはここに入れておきます。
先ほど書き出した「増えるもの」と、この 3 つを突き合わせます。増えるのに仕組みが無い項目が、公開後に毎回依頼が発生する場所です。
自分でできること、依頼が要ること
同じ「更新」でも、自分で完結するものと、構成に触るため依頼が要るものがあります。公開前にどちらか決めておくと、あとで揉めません。
| やりたいこと | 公開後 | 理由 |
|---|---|---|
| お知らせ・営業日の告知 | 自分でできる | お知らせの仕組みがあれば、文章を書いて公開するだけ |
| 実績・事例を足す | 自分でできる | 専用の投稿タイプがあれば、固定ページを作らずに 1 件ずつ増やせる |
| スタッフの入れ替え | 自分でできる | 一覧の仕組みがある場合。固定ページだと依頼が要ることが多い |
| 料金の改定 | 場合による | 表が固定ページなら依頼、投稿の一覧なら自分で直せる |
| 写真の差し替え | 場合による | 同じ場所の入れ替えは自分で、並び方を変えるなら依頼 |
| ページを 1 枚増やす | 依頼が要る | 構成とナビが変わるため。増やす前提のものは投稿の一覧にしておく |
| フォームの項目を変える | 依頼が要る | 送信先や自動返信の設定も合わせて直す必要がある |
| デザインを変える | 依頼が要る | 一部の色や画像で済むこともある。先に相談して範囲を決める |
この表は作業の分け方を整理したもので、集計から出した数値ではありません。どこまで自分で触れるかは、選んだ作り方と契約によって変わります。
公開したあとも払い続ける費用
作る費用とは別に、持ち続けるための費用がかかります。内訳は 3 つに分かれます。
- ドメインとサーバー 住所と置き場所の費用です。どの作り方を選んでも別にかかります。契約者が誰かを先に決めておきます。
- 更新を誰かに頼む費用 自分で触れない範囲を依頼する分です。自分でできる範囲を広げるほど小さくなります。
- 外部サービスの利用料 予約・決済・地図・解析など。使うものだけ契約し、使っていないものは公開前に外します。
保守費用の相場は、この記事では出しません。集計しているのは販売しているサイトの中身で、他社の保守契約の金額は持っていないためです。金額を比べるときは、何をどこまでやる契約かを先に揃えてください。
SITE PICK では、更新の仕組みの数が価格に含まれ、公開後 3 か月は支援がつきます。ドメインとサーバーの費用は別で、購入者の負担です。
写真と文章が続かない前提で作る
運用が止まる理由で多いのは、機能が無いことではなく、載せる写真と文章が出てこないことです。続けられる量に、最初から設計を合わせます。
今回集計したサイトのうち 124 件(86%)は、写真が少なくても成立する、顔を写さなくてよい、と設計の段階で決めています。撮影を続けられないなら、そもそも写真に依存しない構成を選ぶほうが現実的です。
文章も同じです。毎回 1,000 字書く前提にせず、3 行で成立する形にしておくと続きます。
誰が更新するかを決める
仕組みがあっても、担当が決まっていないと止まります。決めることは 3 つです。
- 普段の更新をする人。1 人に寄せず、2 人が触れる状態にしておく
- 管理画面に入れる人の範囲。退職・異動のときに誰が止めるか
- ドメイン・サーバー・解析の契約を持つ人。担当者個人の私物にしない
運用の対象は思ったより多くなります。今回集計したサイトのうち 61 件(42%)は 13 ページ以上で、ページが増えるほど「触っていないページ」も増えます。年に 1 回、古い記載を見直す日を決めておくと溜まりません。
実例:同じ歯科医院向けで、更新の仕組みが違う 2 つ
同じ業種向けでも、運用の前提が違うと中身が変わります。完成済みのサイトから 2 つ並べます。
違いは 2 つです。
- 更新の仕組みの数。少ないほうは 2 つ、多いほうは 3 つです。多いほうは診療科目を一覧として持ち、増やすときに依頼が要りません。
- 運用の対象になるページ数。10 ページと 15 ページです。増える一覧を持つほうが、固定ページを増やさずに情報を足せます。
診療科目が当分変わらないなら前者で足ります。科目やメニューを増やす予定があるなら後者のほうが、公開後の手間が減ります。
作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド
運用の前提が決まれば、作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。
- オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 更新の範囲と依頼の窓口を契約で決められます。運用まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
- 自分で作る(自作) 更新も自分たちで完結します。社内に作れる人がいて、仕組みまで自分で組める場合に向きます。
- 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 更新の仕組みが組まれた状態を実物で確かめてから決められます。公開後に何を自分で触れるかを、決める前に見ておきたい場合に向きます。