本文へスキップ

選び方・手順 読了 約25分

Node.js の Brotli の脆弱性(CVE-2026-111497)|自社で使っているかの確認方法と、修正版のバージョン早見表【随時更新】

(最終更新:10 月 26 日 20:30)Node.js の Brotli の脆弱性について、影響を受けるバージョンと修正版、Node.js を使っているかの確認方法、問い合わせ文のひな形を公式の発表で整理します。

「Node.js のBrotli の脆弱性」「使っているかの確認方法と修正版の早見表」と書かれた文字だけの画像

最終更新:10 月 26 日 20:30(日本時間) 続報が出たら追記します。
すぐ見る:よくある疑問 / Node.js を使っているかの確かめ方 / 問い合わせ文のひな形 / 技術的な詳細 / 対象の版と修正版の早見表 / 経緯

ひとことで言うと

データを小さくする部品「Brotli」に、外から壊される弱点。Node.js などを直った版に更新する(10 月 21 日公表)

  1. Web のデータを圧縮する部品「Brotli」に弱点(脆弱性)が見つかった。細工したデータを受け取ると、プログラムが止まったり、外から操られたりするおそれがある
  2. この部品は、サーバーで JavaScript を動かすソフト「Node.js」のほか、Python・Linux・Microsoft の .NET・Windows 版の PHP などにも入っていて、それぞれ直った版が出ている
  3. Node.js の直った版は 22.23.4・24.22.1・26.12.1。サポートが終わった 20 系列・18 系列などには、直った版が出ない

どうすればいい?

よくある疑問と答え

  • 自社のサイトは対象? Node.js などで動くサイトやシステムが対象です。WordPress のホームページでは、表示のためにサーバーで Node.js が動いていることは少なめです(この記事での整理)。
    → 使っているかの手がかり
  • どの版に更新すればいい? Node.js は 22.23.4・24.22.1・26.12.1 です。Python・Linux・.NET などは、それぞれ別の版が出ています。
    → 版の早見表
  • 版の確かめ方は? Node.js は「node -v」、Python の Brotli は「pip show brotli」、.NET は「dotnet --list-runtimes」で分かります。
    → 確かめ方の手順
  • どれくらい危ない? CVE の記録の深刻度は 9.2(CVSS 4.0・CRITICAL)、Node.js の評価は high(高)です。10 月 23 日付の評価では、悪用は確認されていません。
    → 技術的な詳細
  • 「HTTP2Shell」「Node2Shell」とは? この脆弱性の呼び名です。はじめは Node.js の発表にあわせて「Node2Shell」と呼ばれ、原因が Brotli にあり複数の製品が影響を受けることから「HTTP2Shell」とも呼ばれています(JPCERT/CC の説明)。
  • 制作会社にサイトを任せている会社は? 使っているか、版、更新の予定を聞きます。そのまま送れる問い合わせ文を下に載せています。
    → 問い合わせ文のひな形

詳しくは:対象の版と修正版の早見表 / 管理者がやること / Node.js を使っているかの確かめ方 / 問い合わせ文のひな形

この記事では、Node.js の脆弱性(Brotli のデコーダの問題、CVE-2026-111497)について、Node.js のセキュリティリリースとリリースノート、Google の Brotli のリリース、CVE の記録、Python のパッケージの配布の仕組みを担う PyPA(Python Packaging Authority)の脆弱性データベース、Debian と Ubuntu のセキュリティの情報、Microsoft の .NET のセキュリティ更新の案内、JPCERT/CC の注意喚起と JVN の情報だけをもとに、影響を受けるバージョンと修正版、立場ごとにやることを整理します。あわせて、自社のサイトや業務システムが Node.js を使っているかの確かめ方と、制作会社・保守会社に送る問い合わせ文のひな形を、この記事での整理として載せます。攻撃の手順の細かい情報は載せていません。

何が見つかったか

まず、出てくるソフトの説明です。Node.js は、JavaScript で作ったプログラムをサーバーやパソコンで動かすためのソフトです。Web のサービスや業務システム、サイトを作るための道具などに使われています。Brotli は Google が公開している圧縮の方式とその部品(ライブラリ)で、Web のページを小さくして送るときなどに使われます。Node.js は Brotli を中に組み込んでいます(この記事での整理)。

10 月 21 日、Node.js は、この Brotli の「圧縮を元に戻す処理」に弱点があると公表しました。形のおかしい圧縮データを受け取ると、プログラムのメモリを壊されます。その結果、プログラムが止まったり、メモリの中身が漏れたり、外から別のプログラムを動かされたりするおそれがあります。

弱点は Brotli という部品そのものにあるため、Node.js だけでなく、同じ部品を使う Python のパッケージや Linux のパッケージ、Microsoft の .NET、Windows 版の PHP などにも広がっています。どれも、それぞれの提供元から直った版が出ています。

自社のサイト・業務システムが Node.js を使っているかの確認方法

ここからは、Node.js を自分では触らない会社向けにまとめたものです(この記事での整理)。Node.js はサイトやシステムの裏側で動くため、使っている側からは見えません。まず、サイトやシステムの種類から見当をつけます。

Node.js を使っているかの手がかり(この記事での整理)
サイト・システムの種類 Node.js を使っているか
WordPress のホームページ(レンタルサーバー) WordPress は PHP で動くため、表示のためにサーバーで Node.js が動いていることは少ない。ただ、制作会社が作業用のパソコンで、デザインのファイルを作る道具として使っていることはある
HTML だけのサイト 公開しているサーバーでは動いていない。サイトを作るときに Node.js の道具を使っていることはある
Next.js・Nuxt などで作ったサイト サーバーで Node.js が動いていることが多い。公開の場所(クラウドのサービスなど)とあわせて確かめる
予約・会員・通販などの独自のシステム 使っている言語は作った会社によって違う。Node.js で作られていることもあるので、作った会社に聞く
社内の業務システム・チャットボット・連携の仕組み ほかのサービスとデータをやりとりする小さなプログラムは、Node.js で作られていることがある。作った会社か、社内の担当者に聞く
AWS Lambda などクラウドの実行環境 設定の画面のランタイム(実行環境)の欄に、Node.js の系列が出る。細かい版の更新の扱いは、そのクラウドの案内を確かめる

サーバーやパソコンで版を確かめる

サーバーやパソコンを自分で操作できる場合の確かめ方です(この記事での整理)。分からなければ、無理に操作せず、作った会社に聞いてください。

  1. Windows はコマンドプロンプトか PowerShell、Mac はターミナル、Linux のサーバーは SSH で入った画面で「node -v」と打つ。「v24.22.1」のように版が出れば Node.js が入っている。「見つからない」といった表示なら入っていない
  2. サイトやシステムのファイルの中に「package.json」があれば、Node.js で動かすか、Node.js で作るものと考えられる。「.nvmrc」や package.json の「engines」の欄に、想定している Node.js の版が書かれていることがある
  3. Docker で動かしている場合は、使っているイメージの中の Node.js の版を確かめる。イメージの名前に「node:22」のように系列が書かれていることが多い
  4. Python のアプリなら「pip show brotli」「pip show brotlicffi」、Debian・Ubuntu のサーバーなら「dpkg -l | grep brotli」で、Brotli のパッケージの版を確かめる

制作会社・保守会社への問い合わせ文のひな形

サイトやシステムを任せている会社に、そのまま送れる文面にしました(この記事での整理)。[ ]の中は自社に合わせて埋めます。使っているかどうかだけでなく、版と更新の予定日、費用の扱いまで一度に聞くのがこつです。

ひな形(この記事での整理)

件名:Node.js の脆弱性(Brotli・CVE-2026-111497)への対応状況の確認のお願い

[会社名] [担当者名]様

いつもお世話になっております。[自社名]の[名前]です。2026 年 10 月 21 日に Node.js から、Brotli の展開の処理の脆弱性(CVE-2026-111497)を直したセキュリティリリース(22.23.4・24.22.1・26.12.1)が公表されました。お願いしている[サイト・システムの名前]について、次の点を教えていただけますでしょうか。

  1. Node.js を使っているかどうか。使っている場合、公開しているサーバーで動かしているのか、作るときだけ使っているのか
  2. サーバーで動かしている場合、今の Node.js の版と、修正版への更新の予定日
  3. サポートが終わった版(20 系列・18 系列など)を使っている場合、サポート中の版への移行の予定と、おおよその費用
  4. Python の Brotli・brotlicffi のパッケージ、サーバーの OS の brotli のパッケージ、Microsoft の .NET を使っている場合、その更新の予定
  5. 今回の更新の作業が、保守の契約の範囲に入るか、別の費用になるか

対応が終わりましたら、更新後の版をお知らせいただけますと助かります。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

返事が来たあとの読み方です(この記事での整理)。

  • 「使っていない」 返事の日付と内容を控えておく。次に同じような脆弱性が出たときに、確かめる手間が省ける。
  • 「作るときだけ使っている」 公開しているサーバーでは Node.js が動いていないので、外から届いたデータを公開中のサイトで展開するという、今回の条件には当たりにくい。作業用のパソコンの Node.js も、次の作業の前に更新してもらうよう頼んでおく。
  • 「サーバーで動かしている」 更新の予定日を決めてもらい、終わったら更新後の版を知らせてもらう。サポートが終わった版なら、移行の見積もりも頼む。
  • 「クラウドのサービスに任せている」 サーバーを管理しているサービスの会社が更新する場合がある。どのサービスで、誰が更新するのかを確かめておく。

次に読む:同じ時期に見つかった PHP の重大な脆弱性 / ホームページのセキュリティ対策の基本

技術的な詳細(エンジニア・サーバーの担当者向け)

ここからは、Node.js・Python・.NET などでサービスを運用している担当者・エンジニア向けです。脆弱性の中身を、発表の言葉に沿って並べます。

10 月 21 日の発表で分かっていることです。Node.js によると、Node.js に組み込まれた Brotli のデコーダ(圧縮を元に戻す処理)は、形のおかしい圧縮データを受け取ると、内部の入れ物の終わりを越えて書き込んでしまいます。本来はエラーとして止めるべき不正なデータを、「入力がまだ足りない」と扱ってしまうことが原因です。アプリが node:zlib で展開する Brotli のデータを攻撃者が用意できる場合、プロセスのメモリが壊され、停止や、メモリの中身の流出、外部からのプログラムの実行(リモートコード実行)につながるおそれがあります。

CVE-2026-111497 の概要(Node.js・CVE の記録)
項目 内容
番号 CVE-2026-111497(CVE の番号を登録したのは Google)
場所 Google の Brotli のデコーダ(c/dec/decode.c)。1.0.3 から 1.2.0 までの版
起きうること 細工した Brotli の圧縮データで、ログインなどの認証なしに、離れた場所からメモリを壊される。メモリの中身の流出、サービスの停止、外部からのプログラムの実行のおそれ
条件 攻撃者が用意した Brotli のデータを、アプリが展開すること(Node.js では node:zlib での展開)
深刻度 Node.js の評価は high(高)。CVE の記録の CVSS 4.0 の値は 9.2(CRITICAL)
悪用 CVE の記録に、米国のサイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)が 10 月 23 日付で加えた評価では、悪用は確認されていない(none)

深刻度の表し方が 2 通りある理由です。Node.js は、Node.js の中での影響として high と評価しています。CVE の記録は Brotli そのものについての評価で、CVSS 4.0 の値(0 から 10 で、大きいほど深刻)は 9.2 です。どちらも、早めに更新したほうがよい水準です(この記事での整理)。CISA は、CVE の記録に悪用の有無などの評価を加えている米国の政府機関です。

同じセキュリティリリースでは、Brotli の件のほかに 9 つの脆弱性も直っています。TLS の証明書の確認や DNS の名前解決の問題などで、そのうち 3 つが high です。Node.js を更新すれば、これらもあわせて直ります。

Node.js 以外への広がりもあります。PyPA の脆弱性データベースは、この脆弱性は Node.js だけのものではなく Google の C のライブラリにあるとして、Python で Brotli を扱うパッケージ(Brotli・brotlicffi)を対象に挙げています。PyPA の記録では「Node2Shell」という呼び名も使われています。

呼び名と、日本の公的な注意喚起についてです。10 月 26 日、日本でサイバー攻撃の被害の報告を受け付け、対策の情報を出している JPCERT/CC(JPCERT コーディネーションセンター)が、この脆弱性の注意喚起を出しました。JPCERT/CC によると、この脆弱性は Node.js の発表にあわせて「Node2Shell」と呼ばれていましたが、原因は Brotli の C 言語の実装にあり、Brotli は HTTP の通信で使われるデータの圧縮のライブラリで、複数の製品が影響を受けることから、「HTTP2Shell」とも呼ばれています。影響を受ける製品には、Node.js、Bun、Python 向けの Brotli のパッケージなどが含まれるとしています。対象の製品を使っている場合は、開発元の情報をもとに、速やかに対策を当て、すでに侵害を受けていないかを調べるよう呼びかけています。同じ日に、脆弱性の対策の情報を公開している JVN(Japan Vulnerability Notes)も、この脆弱性の情報(JVNVU#97400824)を公開しました。

Microsoft の .NET にも広がっています。Microsoft は 10 月 25 日(米国の日付)、毎月の定例の更新とは別に、.NET 8・9・10 のセキュリティ更新を出しました。Microsoft によると、.NET が使う Brotli の展開の処理に問題があり、認証なしにプロセスのメモリを読まれたり壊されたりして、情報の流出、サービスの停止、権限の昇格につながるおそれがあります。影響を受けうるのは、ASP.NET Core のリクエストの展開、HttpClient の応答の自動の展開、System.IO.Compression の Brotli の機能で Brotli のデータを扱うアプリです。リクエストの展開と応答の自動の展開は、初期の設定では有効になっていません。.NET Framework は影響を受けません。Microsoft のセキュリティ更新プログラム ガイドでの深刻度は「緊急」、CVSS 3.1 の基本値は 8.1 で、悪用は確認されていないとしています。同じガイドでは、PowerShell 7.4〜7.6 と Visual Studio も対象に挙がっています。

対象の版と修正版の早見表

Node.js のセキュリティリリースとリリースノート、リリースの一覧のページのとおりです。影響を受けるのは、サポート中の 3 つの系列(26・24・22)です。

Node.js のバージョンごとの対象と修正版(Node.js)
系列 状態 修正版
26 系列 Current(最新の系列)。修正版より前の版が影響を受ける 26.12.1
24 系列 LTS(長期サポート)。修正版より前の版が影響を受ける 24.22.1
22 系列 LTS(長期サポート)。修正版より前の版が影響を受ける 22.23.4
25・20・18 系列など サポート終了(EOL)。Node.js は、サポートが終わった版はセキュリティリリースのたびに影響を受けるとしている なし(サポート中の系列へ移行)

Node.js での直し方についてです。リリースノートでは、Node.js に組み込んだ Brotli に、Google の修正を取り込んだ(cherry-pick)と書かれています。Node.js で動かしている場合は、Brotli の版ではなく、Node.js の版が修正版以上かどうかで判断します(この記事での整理)。Node.js は、本番で使うのは長期サポート(Active LTS・Maintenance LTS)の版だけにするよう勧めています。

Node.js 以外の対象です。CVE の記録、PyPA、Debian、Ubuntu、Microsoft の情報をまとめました。

Brotli のライブラリ・Python のパッケージ・Linux・Microsoft の製品の対象と修正版(CVE の記録・PyPA・Debian・Ubuntu・Microsoft)
対象 影響を受ける版 修正版
Brotli(ライブラリ) 1.0.3 〜 1.0.9 / 1.1.0 / 1.2.0 1.0.10 / 1.1.1 / 1.2.1
Python の Brotli 1.2.1 より前 1.2.1
Python の brotlicffi 1.2.1.0 より前 1.2.1.0
Debian 13(trixie) brotli 1.1.0-2 1.1.0-2+deb13u1(DSA-6582-1)
Debian 12(bookworm) brotli 1.0.9-2 1.0.9-2+deb12u1(DLA-4855-1)
Ubuntu brotli・nodejs とも、10 月 23 日の時点で評価中(Needs evaluation)。優先度は Medium Ubuntu の案内を待つ
PHP(Windows 版) Windows 版の PHP 8.5 / 8.4 / 8.3 / 8.2。cURL 拡張で HTTP の応答の自動の展開を有効にしているときに、脆弱な展開の処理に届く(cURL の初期設定では無効だが、アプリやライブラリが有効にすることがある) 8.5.12-1 / 8.4.27-1 / 8.3.36-1 / 8.2.35-1(Brotli 1.2.1 を同梱。PHP 本体のバージョンは同じ)
.NET Windows・Linux・Mac の .NET 8 / 9 / 10(.NET 11 のリリース候補版も)。.NET Framework は対象外 8.0.33 / 9.0.22 / 10.0.14(.NET 11 は RC3)
PowerShell 7.4 / 7.5 / 7.6 7.4.22 / 7.5.13 / 7.6.9
Visual Studio 2019(16.11)/ 2022(17.14)/ 2026(18.11) 16.11.61 / 17.14.43 / 18.11.2

Python のパッケージについての補足です。PyPA によると、Python の Brotli のパッケージは Google の Brotli と同じデコーダの C のコードを使っています。Brotli のパッケージを入れていると、urllib3・requests、httpx、aiohttp といったよく使われる通信のライブラリが、Brotli で圧縮された応答を自動で展開するため、外から届くデータで脆弱性に届きうると説明しています。自分で Brotli を使うつもりがなくても、パッケージが入っているかを確かめてください(この記事での整理)。

Debian についての補足です。Debian のセキュリティ追跡のページには、Debian の nodejs のパッケージは OS の brotli のライブラリを使うと注記されています。Debian で入れた Node.js では、Node.js とあわせて OS の brotli のパッケージを更新します(この記事での整理)。

.NET についての補足です。Microsoft の案内では、サーバーに入れた .NET で動かすアプリは、更新した版の .NET を入れてアプリを再起動します。アプリに .NET を同梱している場合(self-contained)は、サーバーの .NET を新しくしてもアプリの中の .NET は変わらないため、更新した .NET でアプリを作り直して入れ替えます。コンテナは、更新した .NET のイメージで作り直します。PowerShell と Visual Studio の修正版は、Microsoft のセキュリティ更新プログラム ガイドに載っている版です。

管理者がやること

発表の対策(修正版への更新)を、使い方ごとに作業の順に並べたものです(順番と、発表に無い補足は この記事での整理)。

Node.js を動かしているサーバー

  1. 「node -v」で版を確かめ、上の早見表で影響を受けるかを見る
  2. 同じ系列の修正版(22.23.4・24.22.1・26.12.1)へ更新する。外から届いたデータを展開している、利用者がファイルを送れるなど、外からのデータを受け取るサーバーから先に更新する(この記事での整理)
  3. Docker などのコンテナで動かしている場合は、もとにしているイメージを修正版の Node.js のものに替えて作り直す(この記事での整理)
  4. 更新のあとに、ログインや主な画面、外部との連携が普段どおり動くかを確かめる(この記事での整理)
  5. 25・20・18 系列などサポートが終わった版なら、サポート中の系列への移行を計画する。それまでの間に使う部品の対応も、作った会社と相談する(この記事での整理)

Python のアプリ

  1. 「pip show brotli」「pip show brotlicffi」で、パッケージが入っているかと版を確かめる(この記事での整理)
  2. 入っていれば、Brotli は 1.2.1、brotlicffi は 1.2.1.0 へ更新する。requirements.txt などで版を固定している場合は、その指定も書き換える(この記事での整理)

.NET のアプリ

  1. 「dotnet --list-runtimes」で、サーバーに入っている .NET の版を確かめる
  2. .NET 8 は 8.0.33、.NET 9 は 9.0.22、.NET 10 は 10.0.14 を入れ、アプリを再起動する
  3. アプリに .NET を同梱している場合とコンテナは、更新した .NET で作り直して入れ替える。この場合はサーバーの .NET の版だけでは判断できない
  4. 開発に使うパソコンの Visual Studio や PowerShell も、修正版へ更新する(この記事での整理)

Linux のサーバー

  1. Debian 13 は 1.1.0-2+deb13u1、Debian 12 は 1.0.9-2+deb12u1 へ、OS の brotli のパッケージを更新する。更新のあとは、brotli を使っているサービスを再起動する(再起動はこの記事での整理)
  2. Ubuntu は評価中のため、Ubuntu の CVE のページとセキュリティのお知らせを見て、修正が出たら更新する
  3. ほかの Linux や、Brotli を中に組み込んだほかのソフトは、それぞれの提供元の案内を確かめる。CVE の記録は、1.0.3 から 1.2.0 までの Brotli のライブラリやプログラムを、1.0.10・1.1.1・1.2.1 へ更新するよう求めている

次に読む:Linux カーネルで見つかった未修正の脆弱性(ksmbd ほか) / Ruby on Rails(Active Storage)の脆弱性と更新の手順

経緯

日付は、それぞれの発表に書かれている日付です(米国などの時間で書かれているため、日本時間では翌日になるものがあります)。

Node.js の Brotli の脆弱性の経緯(新しい順・公表日)
日付 できごと
2026 年 10 月 26 日 PHP 公式が、Brotli 1.2.1 を同梱した Windows 版の PHP(8.5.12-1・8.4.27-1・8.3.36-1・8.2.35-1)を出した。Windows 版では、cURL 拡張で HTTP の応答の自動の展開を有効にしていると、脆弱な展開の処理に届くとしている
10 月 26 日 JPCERT/CC が注意喚起(JPCERT-AT-2026-0034)を出し、「Node2Shell」のほか「HTTP2Shell」とも呼ばれていると説明した。JVN が JVNVU#97400824 を公開した
10 月 25 日 Microsoft が、定例外の .NET のセキュリティ更新(8.0.33・9.0.22・10.0.14・.NET 11 RC3)を出した。セキュリティ更新プログラム ガイドに、PowerShell と Visual Studio を含む対象の製品が載った
10 月 25 日 Debian のセキュリティ追跡のページで、Debian 12・13 の brotli の修正済みのパッケージ(DLA-4855-1・DSA-6582-1)を確認した(この記事の確認日)
10 月 23 日 PyPA が、Python の Brotli と brotlicffi のパッケージについての記録(PYSEC-2026-4322・PYSEC-2026-4323)を公開した。Ubuntu が CVE-2026-111497 のページを公開した(評価中)。CVE の記録に CISA の評価が加わった
10 月 22 日 CVE-2026-111497 の記録が公開された。Python の Brotli のパッケージ 1.2.1 が公開された
10 月 21 日 Node.js がセキュリティリリース(22.23.4・24.22.1・26.12.1)を出し、Brotli の脆弱性を含む内容を公表した。Google が Brotli の 1.2.1・1.1.1・1.0.10 を公開した

自社で見直すこと

今回の脆弱性は、Node.js・Python・Linux・.NET と、名前の違う複数のソフトに同じ部品(Brotli)が入っていたことで広がりました。サイトやシステムの土台の部品は、使っている側からは見えないぶん、更新が後回しになりやすいところです(この記事での整理)。

  • 土台のソフトと部品を一覧にする Node.js・Python・PHP などの動かすためのソフトと、その版、更新する人を、作った会社と一緒に書き出しておく。今回のような部品の名前が出たときに、すぐ当たりがつけられる。
  • サポートが終わる時期を控えておく Node.js は系列ごとにサポートが終わる。長期サポート(LTS)の系列は、重大な不具合の修正が合わせて 30 か月ほど続くとされている。使っている系列の予定を確かめ、移行の時期と費用を早めに相談する。
  • 保守の契約に更新が入っているかを確かめる ソフトや部品の更新が保守の範囲に入っているか、入っていないなら誰に頼むのかを決めておく。

システムの土台のソフトの脆弱性のほかの例は 「Apache Tomcat の脆弱性」、ほかの最近の出来事は 「最近のサイバー攻撃と対策」、続けて備える体制の考え方は 「ホームページの保守」 にまとめています。

作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド

作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。

  • オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 要件を渡せば設計から任せられます。自社に合わせて一から作りたい場合や、撮影・原稿まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
  • 自分で作る(自作) 費用は抑えられます。そのかわり、Node.js のような土台のソフトや部品の脆弱性の情報を追い、更新を公開後もずっと自分で続けることになります。
  • 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 構成・更新の仕組み・入口が組まれた状態を実物で確かめ、社名・写真・文章を差し替えて公開します。完成形を先に確認してから決めたい場合に向きます。この記事の集計は、その実際のサイトのデータです。

この記事のデータについて

参考にした外部の資料(20 件)

  1. Node.js(2026 年 10 月 21 日のセキュリティリリース)nodejs.org・2026.10.25 確認
  2. Node.js — Node.js 24.22.1 (LTS)nodejs.org・2026.10.25 確認
  3. Node.js — Node.js 22.23.4 (LTS)nodejs.org・2026.10.25 確認
  4. Node.js — Node.js 26.12.1 (Current)nodejs.org・2026.10.25 確認
  5. Node.js — Node.js Releasesnodejs.org・2026.10.25 確認
  6. Releases · google/brotligithub.com・2026.10.25 確認
  7. CVE の記録(CVE-2026-111497・登録は Google)cveawg.mitre.org・2026.10.25 確認
  8. PYSEC-2026-4322raw.githubusercontent.com・2026.10.25 確認
すべての出典を見る(ほか 12 件)
  1. PYSEC-2026-4323raw.githubusercontent.com・2026.10.25 確認
  2. brotli · PyPIpypi.org・2026.10.25 確認
  3. CVE-2026-111497security-tracker.debian.org・2026.10.25 確認
  4. CVE-2026-111497 | Ubuntuubuntu.com・2026.10.25 確認
  5. JPCERT/CC(BrotliのC言語実装における境界外書き込みの脆弱性(CVE-2026-111497)に関する注意喚起)jpcert.or.jp・2026.10.26 確認
  6. JVN(JVNVU#97400824 BrotliのC言語実装における境界外書き込みの脆弱性)jvn.jp・2026.10.26 確認
  7. .NET October 2026 Out-of-Band Security Updatesdevblogs.microsoft.com・2026.10.26 確認
  8. .NET 8.0.33 - October 25, 2026github.com・2026.10.26 確認
  9. .NET 9.0.22 - October 25, 2026github.com・2026.10.26 確認
  10. .NET 10.0.14 - October 25, 2026github.com・2026.10.26 確認
  11. Microsoft(セキュリティ更新プログラム ガイド・CVE-2026-111497)msrc.microsoft.com・2026.10.26 確認
  12. Updated PHP Windows builds for Brotli security fixphp.net・2026.10.27 確認

記事の追加と続報の追記は RSS でもお知らせしています。 RSS を購読する

あわせて読みたい

SITE PICK では、完成したホームページを実物で見比べてから、そのデザインで制作を依頼できます。 すべての完成サイトを見る