最終更新:10 月 24 日 02:09(日本時間)
警視庁がページを更新したら追記します。
すぐ見る:どうすればいい? / 事業者がやること / 被害が疑われたら / 一般の人がやること
要点
警視庁「個人情報漏えい『犯罪被害事例と被害防止対策(都民・事業者向け)』」(2026 年 10 月 21 日更新)
- 事業者への不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次いでいることを受けて、警視庁が都民向けと事業者向けの資料を公開した
- 事業者向けの資料は、担当者と期限を決めて確認する 3 つのこと(公開しているアプリケーションのサーバー・外部サービス・持っているデータ)と、実施する 5 つの対策(多要素認証・脆弱性への対処・API への対策・被害への備え・委託先の確認)をまとめている
- 不審な通信や情報流出の兆しに気づいたら、侵入の経路を断ち、証拠を残して、早めに警察へ相談するよう求めている。通報は「すべて判明してから」では遅いとしている
どうすればいい?
立場ごとに、まずやること
個人情報を扱う事業者
- 担当者と期限を決めて、公開しているシステムと外部サービスのログ、覚えのないアカウントや権限の変更がないかを点検する
- 要らない個人情報は消し、情報の保管場所と、見られる人を確かめる
- 被害が疑われたら、ネットワークから切り離し、ログと端末を残して、最寄りの警察署へ相談する。緊急時は 110 番
漏えいの連絡を受けた一般の人
- メールの中のリンクを安易にクリックしない
- 安全なパスワードを設定して、使い回さない
この記事では、警視庁が 10 月 21 日に更新した、個人情報漏えいの犯罪被害事例と被害防止対策のページと、そこで公開されている事業者向けの資料(全 8 ページ)だけをもとに、個人情報を扱う事業者と、漏えいの連絡を受けた一般の人が、それぞれ何をすればよいかを整理します。
何が書かれているか
公開の理由から見ていきます。警視庁は、事業者への不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次ぎ、漏れた個人情報を悪用する犯罪への心配が都民の不安になっているとしています。また、個人情報を持つ事業者には、情報の流出につながる攻撃の被害に遭わないための対策が求められているとして、都民向けと事業者向けの資料を作りました。
事業者向けの資料は「会社の情報、狙われています。」という見出しで始まり、次の 7 つの章でできています。
| 章 | 主な内容 |
|---|---|
| 1 サイバー攻撃情勢の概要 | 令和 8 年上半期のランサムウェアの被害報告は 123 件で、半期として過去最多(警察庁の集計)。令和 7 年に全国の警察施設のセンサーが検知した不審な通信は約 9 秒に 1 回。企業が警戒したい脅威として、ランサムウェア、委託先や取引先を経由した攻撃、VPN・公開サーバー・API や ID を狙う攻撃、巧妙になった標的型メールを挙げている |
| 2 確認する 3 つの事項 | 公開しているアプリケーションのサーバー/外部サービス(クラウド、VPN など)/資産の管理(持っているデータ、機材) |
| 3 攻撃を防ぐ 5 つの対策 | 多要素認証などの導入/脆弱性への速やかな対処/API を通したアクセスへの対策/被害への備え/業務の委託先の対策の確認 |
| 4 もしも、被害が疑われたら | 記録を残す/広がりを止める/適切に報告・連絡する |
| 5 最寄りの警察署などへの早期の通報 | 分からないことがあっても、分かった事実を先に伝える。警察に伝える情報の例 |
| 6 メッセージ/7 通報・相談窓口 | 日ごろの備えと速やかな連携の呼びかけ。警察庁の全国統一のオンライン窓口と、警視庁(最寄りの警察署・緊急時は 110 番) |
2 と 3 の章は、IPA(情報処理推進機構)が 10 月 9 日に出した不正アクセスによる漏えいについての注意喚起などをもとに、警視庁が作ったものです。
事業者がやること
資料の「確認する 3 つの事項」は、担当者と期限を決めて点検を始めるよう求めています。
- 公開しているアプリケーションのサーバー:アクセスやエラーのログが急に増えていないか、アプリケーションがつながるサーバーに不審な通信がないか
- 外部サービス(クラウド、VPN など):いつもと違うログインや時刻、エラーのログの急増、覚えのない新しいアカウントや権限の変更がないか
- 資産の管理:要らない個人情報は消すなどし、それぞれの情報の保管場所とアクセスの権限を確かめる
点検だけで終わらせず、仕組みを良くするための「5 つの対策」も挙げています。
- 多要素認証などの導入 ログインの仕組みを強くし、アカウントに与える権限を必要最小限にするなど見直す。
- 脆弱性への速やかな対処 OS やアプリケーションに最新の修正を当て、使っていないポートやサービスを止める。
- API を通したアクセスへの対策 アクセスの回数を制限し、急な増加に注意する。本人の確認に加えて、アクセスの権限があるかをそのつど確かめる。
- 被害に備える ログを残し、緊急時の連絡先を確かめ、保守管理の業者との対応の手順を決めておく。ランサムウェアでシステムが止まったときに事業を続ける計画を作る。
- 業務の委託先の対策も確認する 自社だけでなく、委託先や取引先から入り込まれる攻撃もあるため。
被害が疑われたら
資料は、放っておかずに初動の対応へ切り替えるよう求めています。
- 記録を残す:まずネットワークから切り離す。ログと端末を残し、起きたことを時系列で記録する
- 広がりを止める:専門家と相談して、侵入の経路を断つ
- 報告・連絡する:保守管理の業者・経営層・関係機関への報告や連絡を判断する。従業員は、システムの担当者などに報告する
- 早めに警察へ:証拠が消える前に、最寄りの警察署などへ相談する。分からないことがあっても、分かった事実を先に伝える
警察に伝える情報(分かる範囲で)として、資料は次のものを挙げています。証拠は消したり書き換えたりせず、復旧と証拠の保全は専門家と調整するよう求めています。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| いつ・何が | 見つけた日時、経緯、被害や影響の範囲 |
| 何を狙われたか | 端末・サーバー、アカウント、情報の種類 |
| 攻撃の手がかり | 通信や認証のログ、攻撃元の情報、URL など |
| 残した証拠 | 画面の画像、メールなど |
通報の窓口は、警察庁の全国統一のオンライン窓口(通報・相談・情報提供)と、警視庁の最寄りの警察署(被害届の提出も)です。緊急時は 110 番に通報します。被害の情報を共有することは、ほかの事業者の被害を防ぐことや、攻撃の手口の解明にもつながるとしています。
一般の人(都民向け)がやること
ページの都民向けの案内では、漏れた個人情報が悪用されて、さらに被害が広がるのを防ぐために、次の 4 つを挙げています。
- 「警察庁推奨アプリ」をすぐに入れる
- 自宅の防犯の性能を高める
- メールの中のリンクを安易にクリックしない
- 安全なパスワードを設定して、使い回さない
自社で見直すこと
ここからは、警視庁の資料を、ホームページやお問い合わせフォームで個人情報を受け取っている中小企業に当てはめたものです(この記事での整理)。
- 「保守管理業者との対応手順」を決めておく ホームページの制作会社やサーバー会社に、何かあったときに誰へ、どう連絡し、何をしてもらえるのかを、事前に確かめておく。契約に保守が含まれていなければ、頼める相手を探しておく。
- フォームで受け取った情報の置き場所を知る お問い合わせの内容がメールだけに届くのか、サーバーやプラグインの中にも残るのかを確かめる。残るなら、期間を決めて消す。
- 通報のときに渡せるものをそろえる サーバーのアクセスログや管理画面のログイン履歴が残る設定になっているか、どこから取り出せるかを確かめておく。
ほかの最近の出来事は 「最近のサイバー攻撃と対策」、ホームページの安全対策の基本は 「ホームページのセキュリティ対策」、お問い合わせフォームの作り方は 「問い合わせフォームの作り方」、続けて備える体制の考え方は 「ホームページの保守」 にまとめています。
作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド
作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。
- オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 要件を渡せば設計から任せられます。自社に合わせて一から作りたい場合や、撮影・原稿まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
- 自分で作る(自作) 費用は抑えられます。そのかわり、ログの確認や更新、フォームで受け取った情報の管理、何かあったときの最初の対応を、公開後もずっと自分で続けることになります。
- 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 構成・更新の仕組み・入口が組まれた状態を実物で確かめ、社名・写真・文章を差し替えて公開します。完成形を先に確認してから決めたい場合に向きます。この記事の集計は、その実際のサイトのデータです。