最終更新:10 月 25 日 07:24(日本時間)
続報が出たら表を更新します。
すぐ見る:どうすればいい? / 比較表 / 初動チェックリスト / 報告の要否と期限 / お知らせの文例 / 棚卸し表
要点
2026 年 10 月の委託先経由の漏えいを並べてわかったこと
- 2026 年 10 月 16 日〜24 日に、メール配信(ブラストメール・Cuenote FC)、ネットショップの仕組み(futureshop)、お店の電子マネーの仕組み(Value Card)、証券会社のネット取引のシステムと、事業者が顧客の情報を預けていた外部のサービスからの漏えいが相次いで公表された
- 並べると、漏れたのは利用企業が預けた顧客の情報で、同じサービスでも利用企業ごとに漏れた項目が違い、対象外と連絡を受けた利用企業もあった。提供元が気づいてから最初の公表までは当日〜4 日後(日付の差を数えた、この記事での計算)
- 委託先から連絡が来たら、受けた日時を記録し、個人情報保護委員会への報告(速報は発覚日から 3〜5 日以内が目安)と、顧客へのお知らせをサイトに出す準備を進める。この記事の文例と棚卸し表は、そのまま使える
どうすればいい?
立場ごとに、まずやること(この記事での整理)
委託先から「漏えいの連絡」が来た事業者
- 連絡を受けた日時と、自社が対象か(漏えいを確認・可能性がある・確認されていない)、対象の項目と件数を記録する。報告の期限は、通常この日から数える
- 個人情報保護委員会への報告が要るかを確かめる。要るなら速報は発覚日から 3〜5 日以内が目安。提供元が連名での報告を案内していれば、申し込みの期限を確かめる
- 顧客へのお知らせを自社のサイトに出す。メールの配信そのものが止まっていることがあるため、サイトが連絡の手段になる
顧客の情報を外部のサービスに預けている事業者(まだ連絡はない)
- どのサービスに、顧客のどの項目を預けているかを棚卸し表に書き出す
- 使っていない項目まで預けていないかを見直す。預けていない情報は、そのサービスからは漏れない
- お知らせの文例の空欄を、自社の言葉で埋めておく
この記事では、2026 年 10 月に相次いだ委託先の情報漏洩(顧客の情報を預けた外部サービスからの漏えい)の事例を、サービスの提供元と、それを使っていた利用企業の公式の発表だけをもとに並べて比べます。そのうえで、委託先から連絡が来たときの初動対応のチェックリスト、個人情報保護委員会への報告の要否と報告期限、顧客へのお詫びとお知らせの文例、預けているサービスの棚卸し表をまとめます。比べた結果と道具は、この記事での整理です。
何が起きたか(比べた 5 つの事例)
どれも、事業者が自社の仕組みではなく、外部の会社のサービスに顧客の情報を預けていて、その提供元のシステムが不正アクセスを受けたものです。それぞれの詳しい経緯は、個別の記事にまとめています。
- ブラストメール(メール配信) ラクスの子会社で、メール配信システム「ブラストメール」を提供するラクスライトクラウドのシステムに不正アクセスがあり、すべての契約者の情報と、一部の契約者の配信先のリストなどが持ち出されました。 ブラストメールの件の記事を読む
- Cuenote FC(メール配信) メール配信サービス「Cuenote FC」を運営するユミルリンクの一部のシステムに不正アクセスがあり、メールアドレスを含む情報が出力されました。メールの配信を同社に任せていた企業が、相次いで影響を公表しています。 ユミルリンクの件の記事を読む
- futureshop(ネットショップの仕組み) ネットショップを作って運営するためのサービス「futureshop」を提供するフューチャーショップのサーバーに不正アクセスがあり、利用していた 1 店舗の会員情報が漏えいしました。 futureshop の件の記事を読む
- Value Card(お店の電子マネーの仕組み) お店などにハウス電子マネー発行サービス「Value Card」を提供するバリューデザインのサーバーに不正アクセスがあり、カードの番号などが流出しました。親会社のペイクラウドホールディングスが公表しています。 バリューデザインの件の記事を読む
- ネット取引のシステム(運用・保守の委託先) 岩井コスモ証券が、インターネット取引のシステムの運用・保守を任せているトレードワークスのシステムへの不正アクセスで、一部の利用者の情報が漏洩したと公表しました。この例だけは、利用企業の側が不正アクセスに気づいています。 岩井コスモ証券の件の記事を読む
下の表に出てくる利用企業は、新聞社の新潟日報社と山陽新聞社、レンタルサーバー「エックスサーバー」を提供するエックスサーバー、東京メトロ、ハンドメイド作品の通販サイト「Creema」を運営するクリーマ、ネットワークやサーバーなどのサービスを提供する NTTPC コミュニケーションズ、書店「honto」を運営する大日本印刷、野村證券、チョコレートのリンツのオンラインショップを運営するリンツ&シュプルングリージャパン、モスバーガーを展開するモスフードサービス、岩井コスモ証券です。
委託先の情報漏洩の事例を並べた比較表
ここからは、この記事での整理です。各社の公式の発表に書かれた日付と内容を、サービスごとに並べました。「何日後」は、公表された日付の差を数えたもので、時刻は考えていません。利用企業ごとの公表日は、下の経緯の表にあります。
| サービス(提供元) | 気づいた日 → 最初の公表 | 利用企業の公表(何日後か) |
|---|---|---|
| ブラストメール(ラクスライトクラウド) | 10 月 21 日 0 時 30 分に不審なアクセスを検知 → 同じ日にラクスが第 1 報(当日)。持ち出しの確認も、同じ日の第 2 報 | 新潟日報社(1 日後)、エックスサーバー・東京メトロ(2 日後) |
| Cuenote FC(ユミルリンク) | 10 月 16 日未明に不正アクセスを確認 → 10 月 19 日に第一報(3 日後) | NTTPC(1 日後)、大日本印刷(2 日後)、野村證券(4 日後) |
| futureshop(フューチャーショップ) | 10 月 19 日 15 時 30 分ごろ、システムの監視で不審なアクセスを確認 → 10 月 23 日に第一報(4 日後) | リンツ&シュプルングリージャパン(同じ日) |
| Value Card(バリューデザイン) | 確認日 10 月 19 日 → 10 月 23 日に親会社が適時開示(4 日後) | モスフードサービス(同じ日) |
| ネット取引のシステム(トレードワークス) | 10 月 14 日に利用企業の岩井コスモ証券が検知し、トレードワークスに連絡 → 10 月 16 日に岩井コスモ証券が公表(2 日後) | 岩井コスモ証券(利用企業が最初に公表) |
同じサービスの利用企業でも、対象外だったと公表した例があります。ブラストメールでは、クリーマが 10 月 23 日に、メールアドレスが流出したという報告は受けていないと公表しました。Cuenote FC では、山陽新聞社が 10 月 20 日に、自社の環境では漏えいは確認されていないと連絡を受けたと公表しています。
| サービス(提供元) | 漏れた・漏れた可能性のある項目 | 利用企業への個別の連絡 |
|---|---|---|
| ブラストメール(ラクスライトクラウド) | すべての契約者(利用企業)の会社名・担当者名・電話番号・メールアドレスなど。一部の契約では配信先のリストなども。利用企業の公表では、東京メトロはメールアドレスだけ、新潟日報社は氏名(カタカナ)・都道府県名・市町村名・メールアドレス・性別・年代など | 配信先のリストなどの漏えいが確認された 344 件の契約すべてに、個別の連絡を終えた(10 月 24 日 13:20 の更新)。個人情報保護委員会への連名での報告を、10 月 29 日まで受け付けている |
| Cuenote FC(ユミルリンク) | メールアドレスを含む情報が延べ約 900 万件出力されたと試算(詳細は調査中)。大日本印刷では氏名・メールアドレス・システム内部の識別番号、野村證券ではメールアドレス等 | 大日本印刷は 10 月 19 日、野村證券は 10 月 22 日に、ユミルリンクから報告を受けたと公表。山陽新聞社は、漏えいは確認されていないとの連絡を受けた |
| futureshop(フューチャーショップ) | 1 店舗の会員 ID・氏名・メールアドレス・住所・生年月日・電話番号・性別・ハッシュ化したログインパスワードなど(3,147,469 件)。クレジットカード情報は含まれない | 対象の 1 店舗には、気づいた 10 月 19 日の時点で個別に報告し、店舗との連名で個人情報保護委員会へ報告した |
| Value Card(バリューデザイン) | ID 番号・PIN 番号・残高情報(1,424,748 件)。個人情報は「該当なし」。モスフードサービスの公表では、モスカードの番号・PIN 番号・残高情報で、氏名・住所・電話番号などは含まれない | 不正アクセスを確認した一部の利用企業へ、対応の進み具合を適宜報告している |
| ネット取引のシステム(トレードワークス) | 一部の利用者の氏名・メールアドレス他(10 月 16 日に 4,611 名と公表し、10 月 20 日の第 2 報で 4,975 名に改めた) | 利用企業の岩井コスモ証券が自分で気づいてトレードワークスに連絡した例で、提供元からの連絡の流れとは向きが逆 |
件数は、各社が発表した時点のものです。ユミルリンクの約 900 万件は延べの試算で、利用企業ごとの内訳は書かれていません。futureshop とリンツ、Value Card とモスフードサービスのように、利用企業の側の件数が別に公表されている例もあります。
並べてわかること
表を並べて見えた共通点を、発表で確かめられる範囲でまとめます(この記事での整理)。
- 1. 漏れたのは、利用企業が預けた顧客の情報そのもの メール配信なら配信先のリスト、ネットショップなら会員情報、電子マネーならカードの番号と残高です。大日本印刷やエックスサーバーのように、自社のシステムへの不正アクセスは確認されていないとする利用企業もありますが、顧客から見れば「その会社に渡した情報」が漏れています。ブラストメールでは、利用企業自身の会社名や担当者の連絡先も持ち出されました。
- 2. 同じサービスでも、利用企業ごとに漏れた項目が違う 同じブラストメールでも、東京メトロはメールアドレスだけ、新潟日報社は氏名や年代、購読している商品名まで含まれていました。違いは、それぞれがサービスに入れていた項目の違いです。大日本印刷は、パスワード・クレジットカード情報・購入履歴などはメール配信のシステムに持たせていないと説明していて、それらは対象になっていません。
- 3. 提供元の公表だけでは、自社が対象かは分からない 同じ Cuenote FC を使っていても、山陽新聞社は漏えいは確認されていないとの連絡を受けました。ブラストメールでも、クリーマは 10 月 23 日 10 時の時点で流出の報告を受けていないと公表しています。自社が対象かどうかは、提供元からの個別の連絡で決まります。
- 4. 利用企業の公表は、提供元から報告を受けた日から数日以内に続いた 提供元が気づいてから最初の公表までは、当日〜4 日後でした。利用企業が 1 社の例(futureshop と Value Card)は、提供元と利用企業が同じ日に公表しています。フューチャーショップは、公表までに時間がかかったのは、店舗と一緒に対象のお客様への案内と窓口を準備していたためと説明しています。利用企業が多いメール配信では、利用企業の公表が、提供元から報告を受けた日の当日〜2 日後に続きました(新潟日報社は報告を受けた日、NTTPC コミュニケーションズと野村證券は翌日、大日本印刷は 2 日後)。
- 5. 顧客に知らせる手段(メール)そのものが止まる メール配信の事故では、配信のサービス自体が止まりました。新潟日報社はニュースメールを止め、最新のニュースは自社のサイトで見るよう案内しています。東京メトロもメールマガジンの登録と配信を止めました。エックスサーバーはブラストメールとのデータ連携を止め、利用を終えて自社で作るメール配信の仕組みへ移るとしています。お知らせを届ける場所として、自社のサイトが残ります。
経緯
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2026 年 10 月 24 日 | ラクスライトクラウドが、配信先のリストなどの漏えいが確認された 344 件の契約すべてに個別の連絡を終えたと更新 |
| 10 月 23 日 | フューチャーショップとリンツ、ペイクラウドホールディングス(バリューデザイン)とモスフードサービスが、それぞれ同じ日に公表。野村證券・東京メトロ・エックスサーバー・クリーマも公表。ラクスライトクラウドが連名での報告の案内を公開 |
| 10 月 22 日 | 新潟日報社が、午後にラクスライトクラウドから報告を受け、会員の個人情報の漏えいを公表(第 2 報) |
| 10 月 21 日 | ブラストメールが 0 時 30 分から緊急停止し、ラクスが第 1 報・第 2 報を公表。大日本印刷が honto の会員の情報の漏えいの可能性を公表 |
| 10 月 20 日 | NTTPC コミュニケーションズが公表。山陽新聞社が、自社の環境では漏えいは確認されていないと連絡を受けたと公表(第 3 報)。岩井コスモ証券が第 2 報で対象を 4,975 名に改めた |
| 10 月 19 日 | ユミルリンクが第一報を公表。フューチャーショップが不審なアクセスに気づき、対象の店舗に報告。Value Card の流出の確認日 |
| 10 月 16 日 | ユミルリンクが未明に不正アクセスを確認。岩井コスモ証券が、委託先への不正アクセスによる漏洩を公表 |
| 10 月 14 日 | 岩井コスモ証券が不正アクセスを検知し、トレードワークスに連絡 |
委託先から漏えいの連絡が来たときの初動対応チェックリスト
5 つの事例で利用企業が実際にしたことと、個人情報保護委員会の説明をもとに、期限ごとに並べたものです(この記事での整理)。自社に当てはまるかの最終的な判断は、委員会の窓口や専門家に確かめてください。
今日(連絡を受けた日)
- 連絡を受けた日時・連絡してきた人・内容を記録する。報告の期限は、通常この日から数える
- 自社が「漏えいを確認」「漏えいの可能性がある」「確認されていない」のどれかを提供元に確かめる
- そのサービスに預けていた項目(メールアドレス・氏名・住所・生年月日・購入の情報など)と、おおよその人数を書き出す。管理画面が止まっていたら、取り込みに使った手元のファイルで確かめる
- サービスとの連携(自動の取り込み・送信)を止めるかを決める。大日本印刷やエックスサーバーは連携を止めた
- 社内の個人情報の担当者と責任者に共有する。ラクスライトクラウドも、案内を個人情報保護の担当部署に共有するよう求めている
3 日以内
- 個人情報保護委員会への報告が要るかを確かめ、要るなら速報を出す(次の節)。提供元との連名にするか、自社で出すかを決める
- 顧客へのお知らせを自社のサイトに出す(文例は下の節)。分かっていないことは「確認中」と書き、分かり次第このページで知らせると添える
- 問い合わせ窓口(電話・フォーム・受付時間)を決めて、電話を受ける人に答え方を渡す
- 自社を装うメールへの注意を呼びかけ、自社がどのアドレスから連絡するかを書く
1 週間以内
- 対象の顧客への個別の連絡(本人への通知)を進める。連絡先が分からない人には、サイトでの公表と問い合わせ窓口で代える方法がある
- 確報の期限(発覚日から 30 日以内、不正アクセスなど不正な目的のおそれがあれば 60 日以内)を予定に入れ、提供元の調査結果を受け取る日を決める
- プライバシーマークを持っているなら、プライバシーマークの制度を運営する日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)への報告を自社で行う(ラクスライトクラウドの案内)
- サービスを使い続けるか、預ける項目を減らすか、乗り換えるかを決める
- ほかに顧客の情報を預けているサービスがないか、下の棚卸し表で確かめる
個人情報保護委員会への報告の要否と報告期限
委託先で起きた漏えいでも、利用している事業者に報告や通知の義務がかかることがあります。個人情報保護委員会の「漏えい等の対応とお役立ち資料」とガイドライン(通則編)から、委託先経由の漏えいに関わるところを抜き出します。
報告が要る場合
委員会のページは、事業者に報告が義務付けられる場合として、次の 4 つを挙げています(民間事業者の場合)。
- 要配慮個人情報(病歴・健康診断の結果など)が含まれる個人データの漏えい等
- 不正に使われると財産的な被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等(クレジットカード番号を含むものなど)
- 不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等(不正アクセスで個人データが盗まれた場合など)
- 個人データに係る本人の数が 1,000 人を超える漏えい等
4 つのうち、委託先経由の漏えいで見落としやすいのは 3 つ目です。ガイドラインでは、この「不正の目的」の行為の相手には、個人データの取扱いを任せている委託先や、利用しているサービスを提供する第三者も含まれるとしています。つまり、預けた先が不正アクセスを受けた場合、人数が 1,000 人以下でも、利用している事業者の報告の対象になりうるということです(この記事での読み取り)。
報告期限
| 報告 | 期限 |
|---|---|
| 速報(最初の報告) | 発覚日から 3〜5 日以内(委員会は「発覚したら、まずは速やかに」としている) |
| 確報(すべての事項の報告) | 発覚日から 30 日以内。不正な目的で行われたおそれがある場合は 60 日以内。土日・祝日も含めて数える |
期限を数え始める日についての説明です。ガイドラインによると、委託先から事態の発生を知らされた委託元は、通常、遅くとも知らされた時点で事態を知ったことになり、速やかに報告しなければなりません。法人では、いずれかの部署が知った時点が基準です。連絡を受けた日時を記録しておくのは、このためです。
委託元と委託先の両方に義務がある
外部に任せている場合の扱いです。ガイドラインでは、個人データの取扱いを任せている場合、報告の対象になる事態では、原則として委託元と委託先の双方が報告する義務を負い、連名で報告することもできます。委託先が委託元に事態を知らせたときは、委託先の報告と本人への通知の義務は免除され、委託元が報告します。本人への通知も、原則として双方の義務です。
連名での報告の実際の例です。ラクスライトクラウドは、ブラストメールの契約者との連名で委員会に報告することを申し込み制で受け付けています(申し込みは 10 月 29 日まで)。連名にすれば自社から個別に報告する必要はなく、速報の目安の期間を超えても報告の遅れとしては扱わないことを委員会に確認したとしています。ただし、連名は委員会への報告に限られ、配信先のリストの漏えいが確認された場合の読者への通知は、契約者が自社で行う必要があります。フューチャーショップも、対象の店舗との連名で委員会へ報告しています。
本人への通知と、サイトでの公表
本人への通知は、事態の状況に応じて速やかに行います。連絡先を持っていないなど通知が難しい場合は、事案の公表や、問い合わせ窓口を用意してその連絡先を公表することが、代わりの措置として認められています。公表そのものは義務ではありませんが、二次被害や似た事案を防ぐ観点から、速やかに公表することが望ましいとされています。
顧客へのお知らせ(お詫び文例)
自社のサイトに載せる短いお知らせの文例です(この記事で作ったもの)。[ ]を自社の内容で埋めて使ってください。分かっていないことは「確認中」と書き、推測で埋めないのがこつです。お詫びの言葉は、自社の言葉に置き換えてかまいません。
文例
【重要】委託先への不正アクセスによるお客様情報の漏えい(の可能性)について
当社が[用途:例 メールマガジンの配信]に利用している外部のサービス「[サービス名]」(提供:[提供元の会社名])で、第三者による不正アクセスが発生しました。[月日]、提供元から、当社が同サービスに登録していたお客様の情報が[漏えいした/漏えいした可能性がある]との報告を受けました。お客様にご心配とご迷惑をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。
- 対象となる方 [例:[期間]にメールマガジンに登録されていた方](人数:[人数/確認中])
- 対象の情報 [例:メールアドレス、氏名]
- 含まれない情報 [例:パスワード、クレジットカード情報](同サービスには登録していません)
- 当社の対応 [例:同サービスとの連携を停止し、提供元に詳しい調査を求めています。個人情報保護委員会に報告しました/報告の準備を進めています]
- お客様へのお願い 当社を名乗る不審なメールのリンクや添付ファイルは開かないでください。当社からのメールは[送信元のアドレス]から送ります。パスワードやカードの番号をメールでお尋ねすることはありません。
- ご連絡とお問い合わせ 対象の方には[方法:例 ご登録のメールアドレス]で順次ご連絡します。お問い合わせは[窓口・電話番号・受付時間]へ。新しいことが分かりましたら、このページでお知らせします。
[掲載日] [会社名]
東京メトロ・大日本印刷・エックスサーバーなど、利用企業のお知らせの多くにも、対象の範囲、含まれない情報、自社を装う連絡への注意、問い合わせ先が入っていました。メールの配信が止まっているときは、メールで送らずにサイトに載せ、SNS などからこのページへ案内します(この記事での整理)。
預けている外部サービスの棚卸し表
事故が起きてから「何を預けていたか」を調べると、初動が遅れます。いま使っているサービスを 1 行ずつ書き出しておくための表です(この記事で作ったもの)。右の 3 列は、埋めるときに確かめる点の例です。
| サービス名(用途) | 預けている項目 | 解約したときの削除 | 事故の連絡の窓口 |
|---|---|---|---|
| メール配信 | 配信先のリストの列(メールアドレス・氏名・会社名・属性など)。使っていない列はないか | 解約や登録の解除のあと、リストがいつ消えるか | 障害・事故のお知らせのページと、連絡が届く自社のアドレス |
| フォーム | 問い合わせ・申込みの送信内容がサービスの側に残るか。残る期間 | 受け取った内容を、自分で消せるか | 提供元のサポートの連絡先と受付時間 |
| ネットショップ | 会員情報・注文の履歴・住所。カードの番号は決済代行会社が持つ仕組みか | 退会した会員の情報が残るか | 店舗向けのお知らせのページと、管理画面の通知 |
| 予約・会員 | 氏名・電話番号・来店の履歴・ポイントやカードの番号 | 契約を終えたときにデータを受け取れるか、消してもらえるか | 営業の担当者と、事故のときの連絡の決まり(契約書) |
| [その他] | [ ] | [ ] | [ ] |
書き出したら、「預けている項目」に使っていないものがないかを見直します。預けていない情報は、そのサービスからは漏れません。窓口の欄は、事故の連絡がどの宛先に届くかまで確かめておくと、連絡に気づくのが遅れません。
自社で見直すこと
外部のサービスに顧客の情報を預けること自体は、中小企業にとって欠かせない仕組みです。そのうえで、預けた先で事故が起きても、顧客への説明と報告は自社にも求められます(この記事での整理)。
- 預ける項目を必要なものだけにする メール配信ならメールアドレスと宛名だけで足りないかを確かめる。今回の事例でも、預けていた項目の違いが、漏れた項目の違いになっていた。
- 事故の連絡を受ける人と宛先を決めておく 報告の期限は連絡を受けた時点から数える。サービスの登録アドレスが退職した人のものになっていないかを確かめる。
- お知らせを載せられるサイトを用意しておく メールが止まっても、自社のサイトにお知らせを出せれば顧客に伝えられる。誰が、どの手順で載せるかを決め、自社からの連絡の手段も公式サイトに書いておく。
ほかの最近の出来事は 「最近のサイバー攻撃と対策」、メール配信の例は 「ブラストメールの不正アクセス」 と 「ユミルリンクの不正アクセス」、続けて備える体制の考え方は 「ホームページの保守」 にまとめています。
作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド
作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。
- オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 要件を渡せば設計から任せられます。自社に合わせて一から作りたい場合や、撮影・原稿まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
- 自分で作る(自作) 費用は抑えられます。そのかわり、使っているサービスの事故の情報を追い、お知らせの掲載や安全対策を公開後もずっと自分で続けることになります。
- 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 構成・更新の仕組み・入口が組まれた状態を実物で確かめ、社名・写真・文章を差し替えて公開します。完成形を先に確認してから決めたい場合に向きます。この記事の集計は、その実際のサイトのデータです。