本文へスキップ

選び方・手順 読了 約37分

ユミルリンクのメール配信サービスへの不正アクセス(2026年10月)|野村證券 i-Port・honto など利用企業の対象とやること【随時更新】

(最終更新:10 月 29 日 18:15)ユミルリンクのメール配信サービスへの不正アクセスについて、何が起きたかと、野村證券 i-Port など利用企業の公表、受け取った人・配信元がやることを公式の発表で整理します。

「ユミルリンクへの不正アクセス」「利用企業の公表と、受け取った人がやること」と書かれた文字だけの画像

最終更新:10 月 29 日 18:15(日本時間) 10 月 26 日のユミルリンクの第二報と、同じ日の JR 東海・JR 西日本・JR 九州の発表(エクスプレス予約・スマートEX の会員の情報の漏えい)を反映しました。続報が出たら追記します。
すぐ見る:よくある疑問 / メールを受け取っていた人 / エクスプレス予約・スマートEX の会員 / 迷惑メールの見分け方 / 配信していた会社 / 利用していた会社の公表 / 技術的な詳細 / 経緯

ひとことで言うと

メルマガを送るサービスに入り込まれ、受け取る人のメールアドレスなどが大量に漏れたおそれ(10 月 26 日の第二報まで)

  1. 会社やお店がメルマガやお知らせを送るのに使うサービス「Cuenote FC」の運営会社ユミルリンクが、10 月 16 日に外から入り込まれた
  2. メールアドレスなどを取り出されたのは 49 システムで、漏れたおそれは延べ 51,628,280 件。16 システムは件数を調べていて、さらに増えるおそれがある
  3. 配信を任せていたりそな銀行などの 3 行や JR の 3 社(エクスプレス予約・スマートEX)、毎日新聞社、宣伝会議、BANDAI SPIRITS(THE GUNDAM BASE MEMBERS)、サイボウズ、さとふる、モアコンタクト(Rise UP)、アニメイト、ライフカード、インプレス、朝日新聞社、野村證券、大日本印刷(honto)なども、影響を公表している。info@cuenote.jp から「セゾンカード」を名乗る迷惑メールも出ている

どうすればいい?

よくある疑問と答え

  • 自分は対象? メールを受け取っている会社やサービスのお知らせで分かります。受け取る人はふだん Cuenote の名前を目にしないので、まずは配信元の会社の案内を確かめます。
    → 利用していた会社の公表
  • 何が漏れた? メールアドレスと、配信のために会社ごとに預けていた氏名などの項目です。どの項目かは会社によって違います。
    → ユミルリンクの発表の中身
  • エクスプレス予約・スマートEX は大丈夫? 一部の会員のメールアドレス・会員 ID・氏名(カタカナ)・会員種別が漏れました。カード番号などは漏れたおそれはないとしています。メールのリンクからはログインしないでください。
    → 会員がやること
  • りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行は大丈夫? お客さまのメールアドレスと、メール配信用の管理番号が持ち出された可能性が高いとしています。口座番号・暗証番号・パスワード・カード情報は含まれません。メールで暗証番号などを聞かれても答えないでください。
    → 3 行の発表と問い合わせ先
  • 毎日新聞のニュースレターやメルマガを受け取っていた人は? ニュースやイベントの案内をメールで受け取っている人のメールアドレス等が漏洩した可能性があるとしています。クレジットカード情報は含まれていません。ニュース速報やニュースレターなどのメール配信は、10 月 26 日から再び止まっています。送信元が不明なメールや心当たりのないメールに注意してください。
    → 毎日新聞社の発表
  • info@cuenote.jp から来たメールは本物? 「セゾンカード」などを名乗る迷惑メールが確認されています。ユミルリンクとも、名前を使われた会社とも関係がなく、詐欺の可能性があるとしています。
    → 迷惑メールの見分け方
  • パスワードは変えたほうがいい? ほかのサービスと同じパスワードを使い回しているなら、変えておきます。使えるサービスでは二段階認証も設定します。
  • Cuenote でメールを送っていた会社は? ユミルリンクからの連絡を確かめ、Cuenote のパスワードを変えます。以前に「影響なし」と言われていても、対象が増えたので確かめ直します。
    → 配信していた会社がやること

詳しくは:メールを受け取っていた人 / エクスプレス予約・スマートEX の会員 / 迷惑メールの見分け方 / 配信していた会社

この記事では、ユミルリンクの情報漏洩(メール配信サービスへの不正アクセスによる情報の持ち出し)について、ユミルリンクの第一報・第二報と注意喚起、メールの配信を同社に任せていたりそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行、JR 東海・JR 西日本・JR 九州(エクスプレス予約・スマートEX の情報漏洩)、野村證券(i-Port)、大日本印刷(honto)などの公表だけをもとに、何が起きたのかと、メールを受け取っていた人・配信していた会社がやることを整理します。

何が起きたか

10 月 26 日の第二報までに分かっていることです。メール配信サービス「Cuenote FC」を運営するユミルリンク株式会社は、10 月 19 日の第一報で、同社のメール配信サービスの一部のサーバーに外から入り込まれ、個人情報が外に持ち出されたと公表しました。

10 月 26 日には、その後の調査で分かったことと、同社の対応を加えた第二報を出しています。同社は東京証券取引所のグロース市場に上場していて、どちらも適時開示で出しています。

ユミルリンクの発表の内容(10 月 26 日の第二報まで)
項目 内容
気づいた日 2026 年 10 月 16 日(金)。朝 6 時 49 分に、同社の担当者が自分のアカウントの異常に気づいて調べ始め、一部のシステムで不正アクセスが起きていることを確かめた
対象のシステム(Cuenote FC) 不正アクセスが試みられたのは、1 つの企業で使うシステム 78 と、複数の企業で使うシステム 3。メールアドレスなどの出力が確認されたのは、1 つの企業で使うシステムのうち計 49 システム(第一報では 5 システム)。複数の企業で使うシステムでは、情報漏洩の痕跡は確認されていない
件数 漏洩の恐れがある件数(漏れたおそれがある件数)は延べ 51,628,280 件(第一報の試算は延べ約 900 万件)。16 システムは件数を調べていて、今後の調査で延べ件数は増える可能性がある
Cuenote FC に登録・記録される情報 配信先のメールアドレスと、氏名・都道府県・生年月日などの付属情報(アドレス帳。項目は企業ごとに違う)、配信の記録、メルマガの申し込みページなどからの登録の記録、サービスを使う企業の担当者の情報(氏名・メールアドレス・住所・電話番号)。アドレス帳は企業ごとに項目が違うため、調査が終わりしだい報告するとしている
顧客管理システム(Cuenote BASE) 同社の顧客管理システムで、プログラムの脆弱性により、同社のサービスの契約者の情報 190 件(企業名・氏名・電話・メールアドレス)が閲覧できる状態だった
ほかのサービス Cuenote SR-S(個別送信のメール配信)・Cuenote SMS・Cuenote Auth・Cuenote Survey・Cuenote Push・安否確認サービスは、情報漏洩などの影響はないとしている
原因 プログラムの弱点(脆弱性)を突かれ、同社の担当者のログインの情報を取られた。そこから、データベースのデータを取り出された。詳しい流れは、下の「技術的な詳細」にまとめた
同社の対応 入り込まれたサーバーをすぐにネットワークから切り離し、弱点を直した。警視庁に通報し、個人情報保護委員会と JIPDEC に報告した。情報処理推進機構(IPA)には、全容の解明と原因の特定が終わりしだい届け出る予定
確認されている影響 漏れた個人情報が誰でも見られる形で公開されたり、悪用されたりした事実は、第二報の時点では確認されていない
業績への影響 2026 年 12 月期の業績への影響は精査中

第二報にも、どのシステムがどの事業者のものかは書かれていません(10 月 26 日の時点)。どの事業者のどの情報が対象かは、それぞれの事業者が、ユミルリンクからの報告をもとに公表しています。ユミルリンクは、第一報のあとに新たに対象になりうると分かった事業者には、10 月 26 日 12 時 30 分までに連絡したとしています。

また、同社のドメイン(cuenote.jp)を使って第三者を名乗る迷惑メールが確認されています。見分け方は 「cuenote.jp から届く迷惑メールに注意」 にまとめました。

利用していた会社の公表の例

メールの配信をユミルリンクに任せていた会社も、自社のお客さまへの影響を公表しています。ここでは、自社の公式サイトで公表している例を紹介します。りそなグループの 3 行の発表は第二報の翌日の 10 月 27 日、JR の 3 社と毎日新聞社の発表は第二報と同じ 10 月 26 日、ほかは第二報より前の公表です。

  • 朝日新聞社(第 1 報 10 月 26 日・第 2 報 10 月 29 日) 朝日新聞社は、イベントなどの案内のメールの配信に Cuenote FC を使っていて、アドレス帳から情報が流出したおそれがあると公表しました。朝日新聞社によると、10 月 26 日にユミルリンクから連絡を受け、件数は延べ 7 万 921 件です。9 割超はメールアドレスだけで、一部に氏名・学校名なども含まれます。イベントなどで登録された情報で、朝日新聞デジタルの購読のための情報ではありません。カード情報とログインのパスワードは含まれていません。不正アクセスとデータの持ち出しは 10 月 16 日の午後とみられるとしています。対象の人には個別に連絡しています。
  • インプレス「DIGITAL X News」(10 月 27 日・28 日) インプレスは、メールマガジン「DIGITAL X News」の配信に Cuenote を使っていて、登録された情報が漏えいしたと公表しました。インプレスによると、件数は約 58,000 件で、すべての会員の会員 ID・メールアドレス・登録日と、一部の会員の氏名・会社名・郵送先の都道府県・業種・職種・役職区分が対象です。生年月日・市区町村から先の住所・電話番号・パスワード・カードや口座などの決済の情報は含まれていません。ほかのメールマガジンへの影響はないとしています。ユミルリンクから脆弱性の修正などを終えたと報告を受け、配信を順に再開するとしています。
  • ライフカード(10 月 28 日) ライフカードは、案内などのメールの配信に Cuenote FC を使っていて、お客さまの情報の一部が外に漏れた可能性があると公表しました。ライフカードによると、10 月 26 日にユミルリンクから連絡があり、対象は契約 339,610 件、情報は氏名・メールアドレス・カードの名称・ETC カードの番号の一部などです。ETC カードの番号の一部が対象なのは 60 件です。ライフカードが管理するカード会員の情報のシステムへの不正アクセスは確認されておらず、不正利用などの二次被害も確認されていません。対象と確認できた人には、必要に応じて個別に知らせるとしています。
  • アニメイト(10 月 28 日) アニメイトは、アニメイト通販とポケットドラマCD(ポケドラ)のメールマガジンの登録者の情報が漏えいしたと公表しました。アニメイトによると、漏えいしたのはメールアドレス・性別・居住都道府県・アニメイト会員コードで、氏名・住所・年齢・電話番号・クレジットカード情報・パスワードは漏えいしていないことが確認されています。件数はユミルリンクが調べています。10 月 20 日には影響がないとの報告を受けていましたが、27 日に、第三者に見られた、または取られたとの連絡がありました。Cuenote FC を使ったメールの配信は止めています。
  • モアコンタクト(10 月 28 日) カラーコンタクトの通販「モアコンタクト」を運営する Rise UP は、Cuenote FC に登録していた配信先リストの情報が流出したと公表しました。モアコンタクトによると、件数は延べ 1,548,002 件で、メールアドレス・合計購入回数・最新の注文の発送日時・メールの送信日時・アンケートの回答ページの URL などが対象です。氏名・住所・電話番号・クレジットカード情報・ログインパスワードは Cuenote FC に預けていなかったため、流出していません。対象の人には個別にメールで知らせるとしています。
  • さとふる(10 月 27 日) ふるさと納税のポータルサイト「さとふる」も、一部のメール配信に Cuenote FC を使っていて、保存していた情報の一部が漏えいしたと、寄附を受ける自治体に報告しました。会津若松市によると、さとふるが公表した内容では、不正アクセスの確認は 10 月 16 日、漏えいの確認は 26 日で、漏えいした項目と件数は確認中です。クレジットカード等の情報はシステムに保管していません。那須町によると、ポータルサイト本体への影響はなく、寄附はこれまでどおりできます。会津若松市・敦賀市・大分県など、さとふるで寄附を受ける自治体が、さとふるや自治体を名乗る不審なメールに注意するよう呼びかけています。
  • バンダイナムコエンターテインメント・BANDAI SPIRITS「THE GUNDAM BASE MEMBERS」(10 月 27 日) BANDAI SPIRITS が運営する「THE GUNDAM BASE MEMBERS」は、「バンダイナムコID」のメールサービスを使っていて、その委託先がユミルリンクでした。BANDAI SPIRITS によると、10 月 26 日にユミルリンクから、THE GUNDAM BASE MEMBERS の利用環境に不正アクセスとメールアドレスなどの情報を取られた形跡があったと報告を受けました。漏えいしたのは、会員のメールアドレスとバンダイナムコID の管理用の内部識別子の 346,247 件です。氏名・住所・購入履歴・ログインパスワード・クレジットカード情報は含まれていません。このメール配信サービスの使用は止め、個人情報保護委員会に報告しています。会社からこの件でメールを送るときは、本文に URL を書かないとしています。バンダイナムコID と THE GUNDAM BASE MEMBERS のサービスは、引き続き使えます。
  • りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行(10 月 27 日) りそなグループの 3 行は、メール配信に Cuenote FC を使っていました。3 行が共同で出した発表では、10 月 19 日にユミルリンクから不正アクセスの報告を受け、21 日には 3 行のお客さまの情報の外部への持ち出しはないとの報告を受けていました。ところが、その後のユミルリンクの調査で、10 月 26 日に、3 行のお客さまの情報を含むシステムからも、情報が外部へ持ち出された可能性が高いことが分かりました。持ち出された可能性があると報告を受けているのは、お客さまのメールアドレスと、お客さまを特定する識別子です。識別子は、メール配信用に付けたお客さまの管理番号で、この番号だけでは個人を特定できないとしています。口座番号・暗証番号・パスワード・クレジットカード情報などの金融取引に関する情報は含まれていません。持ち出された情報や件数はユミルリンクが調査中で、お客さまの情報の不正利用などは確認されていないとしています。
  • りそなグループの 3 行のお願いと問い合わせ先(10 月 27 日) 3 行や関係会社を装った不審なメールなどに注意するよう呼びかけています。3 行がメールなどでパスワードや暗証番号を尋ねることはなく、不審な連絡を受けたら、メールのリンクを開いたり個人情報を入力したりしないでほしいとしています。専用の問い合わせ窓口は、りそな銀行 0120-001-067、埼玉りそな銀行 0120-382-520、関西みらい銀行 0120-400-503 で、受付は 2026 年 10 月 27 日(火)から 11 月 20 日(金)までの月曜日から金曜日(祝日を除く)の 9 時から 17 時までです。
  • JR 東海・JR 西日本・JR 九州「エクスプレス予約」「スマートEX」(10 月 26 日) 3 社が運営する列車の予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」で、ユミルリンクのメール配信サービスを使っていました。3 社が共同で出した発表では、10 月 16 日に同社が不正アクセスを受けた際には、会員への影響はないと報告を受けていましたが、10 月 26 日に、会員の個人情報が第三者に閲覧または取得されたと連絡を受けました。漏えいした情報は、メールアドレス・会員 ID・氏名(カタカナ)・会員種別です。それ以外の氏名・生年月日・住所・電話番号・クレジットカード番号・クレジットカードの有効期限などは、漏えいの可能性はないとしています。対象の件数は、ユミルリンクが確認中です。
  • エクスプレス予約・スマートEX で対象になりうる会員(10 月 26 日) 対象になるおそれがあるのは、Cuenote FC を使って次のようなメールを送った会員です。販売促進のために一部の会員に送ったメールと、熊本地震の影響で予約した列車の発車時刻が変わったことを知らせるメールなどです。JR 東海が持つエクスプレス予約・スマートEX のシステムからの個人情報の漏えいは確認されていません。3 社は、このメール配信サービスの使用をすぐに止め、10 月 26 日に個人情報保護委員会に報告しました。対象の会員には、電子メールその他の適切な方法で個別に連絡するとしています。
  • 宣伝会議(10 月 27 日) 「宣伝会議」「広報会議」「環境ビジネス」などの出版や、教育・研修、イベントの運営をしている会社で、メールマガジンの配信をユミルリンクに任せていました。宣伝会議によると、10 月 21 日にユミルリンクから「弊社のシステムは対象外」との回答を受けていましたが、10 月 26 日 12 時 28 分に訂正の通知を受け、宣伝会議のアドレス帳データが流出した可能性が高いと確認しました。流出した可能性がある情報は、メールアドレス・氏名・勤務先(会社名・部署名・役職)・職種・都道府県です。Cuenote FC に登録していた情報には、クレジットカード情報は含まれていません。対象の件数はユミルリンクが確認中で、漏えいしたおそれのある個人情報の不正利用は確認されていないとしています。
  • 宣伝会議のお願いと問い合わせ先(10 月 27 日) 対象のお客様への個別の通知を準備していて、個人情報保護委員会への報告(速報)も速やかにするとしています。身に覚えのない電子メールや不審な URL への誘導に注意するよう呼びかけています。専用の問い合わせ窓口はメールアドレス support202610@sendenkaigi.co.jp で、受付は平日 10:00〜17:00 です。今後の調査の進み具合は、随時コーポレートサイトで知らせるとしています。
  • サイボウズ(10 月 26 日) サイボウズは、一部のメール配信に Cuenote FC を使っていました。サイボウズによると、10 月 20 日にユミルリンクに問い合わせたときは対象外との回答でしたが、10 月 26 日 13:15 に、サイボウズが使う環境でも一部のメールアドレス等が漏えいした可能性が高いと連絡を受けました。漏えいした可能性があるのは、各種お知らせの配信先として登録されたメールアドレス等で、影響の範囲はまだ確認できていません。kintone・Garoon・サイボウズ Office・メールワイズなどのサービスで預かっているデータへの影響はないとしています。
  • 毎日新聞社(10 月 26 日) 毎日新聞社は、メールマガジン等の各種サービスのメール配信に Cuenote FC を使っていました。毎日新聞社によると、10 月 26 日に、ユミルリンクから「一部データが外部に不正に取得された可能性が高い」との連絡を受け、同じ日に各種メール配信を停止しました。漏洩した可能性があるのは、ニュースやイベントの案内をメールで受け取っている人のメールアドレス等で、クレジットカード情報は含まれていません。毎日新聞社は、影響範囲等を速やかに情報提供するよう、ユミルリンクに求めているとしています。
  • 毎日新聞社のメール配信の停止と再開の経緯(10 月 26 日) 10 月 18 日にユミルリンクから「不正アクセスを検知した」との連絡を受け、メール配信を一時停止しました。その後、毎日新聞社が使っている環境で「情報漏えいは確認されていない」との連絡を受け、21 日からメルマガ等の配信を再開していました。10 月 26 日の連絡を受けて、メール配信を再び停止しています。止めているのは、ニュース速報、朝昼夕ニュースレター、各種メールマガジン、各種お知らせなどです。送信元が不明なメールや心当たりのないメールに注意するよう呼びかけていて、問い合わせは同社の問い合わせフォームで受け付けています。
  • 野村證券「i-Port」(10 月 23 日) 金融機関等向けのポートフォリオ管理ツール「i-Port」の加入者へのメール配信を、ユミルリンクに任せていました。野村證券によると、10 月 22 日にユミルリンクから、同社のシステムに保存されていた加入者のメールアドレス等が漏えいした可能性があると報告を受けました。i-Port に登録されているポートフォリオの情報や、証券取引口座の情報は含まれていません。情報の不正利用や、野村證券のシステムへの不正アクセスは確認されていないとしています。対象の金融機関等には個別に案内します。
  • 野村證券が受けた説明(10 月 23 日) 野村證券は、ユミルリンクから受けた説明も載せています。10 月 16 日にメール配信サービスの一部のシステムへの不正アクセスが確認され、その後の調査で、10 月 22 日にデータベースから情報が外部に持ち出されたことが確認されたという内容です。
  • 大日本印刷「honto」(10 月 21 日) ハイブリッド型総合書店「honto」を運営する会社です。大日本印刷によると、10 月 19 日にユミルリンクから報告を受け、漏えいした可能性がある対象は、honto のメルマガの配信を許諾している会員の氏名・メールアドレス・システム内部の識別番号です。パスワード・クレジットカード情報・購入履歴は、メール配信のシステムには持たせていません。件数は調査中で、honto のシステムとメール配信のシステムの連携を止めています。対象と分かった人には個別に連絡するとしています。
  • NTTPC コミュニケーションズ(10 月 20 日) ネットワークやサーバーなどのサービスを提供する会社で、各種サービスのメール配信に Cuenote FC を使っています。NTTPC コミュニケーションズによると、利用者の情報への影響は確認できていないものの、可能性を完全には否定できないとして、登録された連絡先のメールアドレス等が漏えいした可能性があると案内しています。
  • 山陽新聞社(第 3 報・10 月 20 日) ニュースサイト「さんデジ」を運営する会社で、メールの配信をユミルリンクに任せています。山陽新聞社によると、ユミルリンクから、同社が使っている環境では情報漏えいは確認されていないとの連絡を受けました。10 月 18 日の午後 2 時 15 分ごろから止めているニュース速報などのメール配信は、復旧に向けて準備を進めているとしています。

このように、Cuenote を使っていた事業者でも、対象になりうるとした例と、漏えいは確認されていないと連絡を受けた例があります。JR の 3 社は、はじめは会員への影響はないと報告を受けていましたが、10 月 26 日に漏えいの連絡を受けています。りそなグループの 3 行も、21 日には持ち出しはないと報告を受けていましたが、10 月 26 日に、持ち出された可能性が高いことが分かりました。毎日新聞社も、「情報漏えいは確認されていない」との連絡を受けて 21 日にメール配信を再開していましたが、10 月 26 日の連絡を受けて、配信を再び停止しました。第二報では対象のシステムが増えているため、以前に「確認されていない」と案内していた事業者も、あらためて案内を出す場合があります(この記事での整理)。自分の情報が対象かどうかは、メールを受け取っている会社の最新の案内で確かめてください。

経緯

ユミルリンクのメール配信サービスへの不正アクセスの経緯(新しい順)
日付 できごと
2026 年 10 月 29 日 朝日新聞社が第 2 報で、イベントなどで登録された情報の延べ 7 万 921 件(9 割超はメールアドレスだけ・一部は氏名・学校名など)が流出したおそれがあると公表。デジタル版の購読の情報ではなく、カード情報・パスワードは含まれない
10 月 28 日 インプレスが第二報で、「DIGITAL X News」の約 58,000 件(会員 ID・メールアドレス・登録日、一部は氏名・会社名など)の漏えいを公表。ユミルリンクから脆弱性の修正などを終えたと報告を受け、配信を順に再開する
10 月 28 日 ライフカードが、契約 339,610 件の氏名・メールアドレス・カードの名称・ETC カードの番号の一部(60 件)などが漏えいした可能性を公表。カード会員の情報のシステムへの不正アクセスは確認されていない
10 月 28 日 モアコンタクト(Rise UP)が、Cuenote FC に登録していた配信先リストの延べ 1,548,002 件(メールアドレス・購入回数など)の流出を公表。氏名・住所・電話番号・カード情報・パスワードは対象外
10 月 28 日 アニメイトが、アニメイト通販とポケドラのメールマガジンの登録者のメールアドレス・性別・居住都道府県・会員コードの漏えいを公表(件数は調査中)。20 日には影響なしとの報告を受けていたが、27 日に連絡があった
10 月 27 日 さとふるが、一部のメール配信で使っていた Cuenote FC から情報の一部が漏えいしたと自治体に報告(項目と件数は確認中・カード情報は保管していない)。会津若松市・敦賀市・大分県などが注意を呼びかけ
10 月 27 日 バンダイナムコエンターテインメントと BANDAI SPIRITS が、「THE GUNDAM BASE MEMBERS」の会員のメールアドレスと内部識別子(346,247 件)の漏えいを公表(21:00)。氏名・住所・購入履歴・パスワード・クレジットカード情報は含まれない。メール配信サービスの使用を停止し、個人情報保護委員会に報告
10 月 27 日 りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行が、お客さまのメールアドレスと識別子(メール配信用の管理番号)が外部へ持ち出された可能性があると共同で公表。21 日には持ち出しはないと報告を受けていたが、10 月 26 日に持ち出された可能性が高いことが分かった。口座番号・暗証番号・パスワード・クレジットカード情報などは含まれない。件数はユミルリンクが調査中
10 月 27 日 宣伝会議が、Cuenote FC に登録していた顧客の情報(メールアドレス・氏名・勤務先(会社名・部署名・役職)・職種・都道府県)が流出した可能性があると公表。21 日にユミルリンクから「弊社のシステムは対象外」との回答を受けていたが、10 月 26 日 12 時 28 分に訂正の通知を受け、アドレス帳データが流出した可能性が高いと確認した。クレジットカード情報は含まれない。件数はユミルリンクが確認中
10 月 26 日 サイボウズが、各種お知らせの配信先のメールアドレス等が漏えいした可能性を公表。20 日には対象外との回答を受けていたが、26 日 13:15 にユミルリンクから漏えいの可能性が高いと連絡を受けた。kintone などのサービスのデータには影響なし
10 月 26 日 JR 東海・JR 西日本・JR 九州が、エクスプレス予約・スマートEX の一部の会員のメールアドレス・会員 ID・氏名(カタカナ)・会員種別が漏えいしたと共同で公表。同日にユミルリンクから連絡を受けた(10 月 16 日の時点では影響はないと報告を受けていた)。件数はユミルリンクが確認中
10 月 26 日 毎日新聞社が、ニュースやイベントの案内をメールで受け取っている人のメールアドレス等が漏洩した可能性があると公表し、各種メール配信を再び停止。10 月 18 日に一時停止し、「情報漏えいは確認されていない」との連絡を受けて 21 日から再開していたが、同日にユミルリンクから「一部データが外部に不正に取得された可能性が高い」との連絡を受けた。クレジットカード情報は含まれない
10 月 26 日 ユミルリンクが第二報を公表(適時開示)。メールアドレスなどの出力が確認されたのは Cuenote FC の計 49 システム、漏洩の恐れがある件数は延べ 51,628,280 件で、16 システムは件数を調査中。Cuenote BASE で契約者の情報 190 件が閲覧できる状態だったことも公表。12 時 30 分までに、新たに影響が確認された 42 システム(42 社)に連絡
10 月 25 日 21 時 45 分に、ユミルリンクが新たに 42 システムで不正アクセスとデータの出力の記録を確認し、影響の範囲の調査を始める(10 月 26 日の第二報で公表)
10 月 23 日 野村證券が、i-Port の加入者のメールアドレス等が漏えいした可能性があると公表(ユミルリンクからの報告は 10 月 22 日)
10 月 21 日 大日本印刷が、honto のメルマガを受け取っている会員の情報が漏えいした可能性があると公表
10 月 20 日 NTTPC コミュニケーションズが、利用者の連絡先のメールアドレス等が漏えいした可能性があると公表。山陽新聞社が、同社の環境では情報漏えいは確認されていないと連絡を受けたと公表(第 3 報)。ユミルリンクが、同社のドメインを使った迷惑メールへの注意を呼びかけ。同日、ユミルリンクは予防のため止めていたほかのシステムを順次再開した(第二報で公表)
10 月 19 日 ユミルリンクが第一報を公表(適時開示)。合計 5 システムで、メールアドレスを含む情報が延べ約 900 万件出力されたと試算。同日 19 時 05 分の更新版で、対象は Cuenote FC の専用 ASP プランのうち合計 5 システムと補足。同日、警視庁への通報と個人情報保護委員会への届出(第二報で公表)
10 月 18 日 不正アクセスが特定のデータセンターで起きていたため、ユミルリンクが予防のため同じデータセンターの全システムを止め、対象の顧客に連絡(第二報で公表)
10 月 16 日 朝 6 時 49 分に、ユミルリンクの担当者が自分のアカウントの異常に気づき調査を開始。一部のシステムでの不正アクセスを確認し、サーバーをネットワークから切り離す

メールを受け取っていた人がやること

Cuenote FC は、会社やお店がメルマガやお知らせのメールを送るために使うサービスです。受け取る人はふだん Cuenote の名前を目にしないため、まずはメールを受け取っている会社やサービスの案内を確かめます。i-Port の加入者である金融機関等の担当者も同じです。

  1. メールを受け取っている会社やサービスの公式サイトで、この件のお知らせを確かめる。野村證券や大日本印刷は、対象の人に個別に案内するとしている
  2. 配信元や関係者を名乗る不審なメールや SMS は、リンクや添付ファイルを開かず、情報の提供やパスワードの入力に応じない(野村證券・大日本印刷・ユミルリンクの案内)
  3. 身に覚えのない連絡は、メールに書かれた連絡先ではなく、配信元の公式サイトに載っている窓口に問い合わせる(野村證券の案内)
  4. ほかのサービスで同じパスワードを使い回していれば変え、使えるサービスでは二段階認証を設定する(ユミルリンクのお願いをもとにした、この記事での整理)

ユミルリンクは第二報で、漏洩した情報が悪用され、同社や関係先を装った不審なメールや SMS が届く可能性があるとしています。また、同社からメール・SMS・電話で、パスワードや認証コード、クレジットカード情報などを直接尋ねることはないとしています。

エクスプレス予約・スマートEX の会員がやること

JR の 3 社の発表で、漏えいした情報に会員 ID が含まれることが分かりました。対象になりうるのは、Cuenote FC で送られた販売促進のメールや、熊本地震の影響で列車の発車時刻が変わったことを知らせるメールなどを受け取った会員です。こうしたメールを受け取った覚えがあれば、対象になりうると考えて次のことをしておくと安心です(この記事での整理)。

  1. JR の 3 社からの個別の連絡を確かめる。対象の会員には、電子メールその他の適切な方法で個別に連絡するとしている
  2. エクスプレス予約・スマートEX を名乗るメールが届いても、メールの URL や「こちら」ボタンからログインしない。公式アプリやブックマークした公式サイトから開いて確かめる(この記事での整理)
  3. エクスプレス予約・スマートEX は以前から、メールで URL を示してクレジットカードの情報やパスワードの入力を求めることはないとしている。会員 ID やパスワードの変更、登録情報の修正、予約の取り消しを促す偽メールの例も挙げている(同サービスの公式サイトの以前からの注意)
  4. ログインパスワードをほかのサービスと使い回していれば変える。パスワードは漏えいした情報に挙げられていないが、会員 ID とメールアドレスが知られると、使い回したパスワードを試されるおそれがある(この記事での整理)
  5. 偽のサイトに会員の情報を入力してしまったら、ログインして自分で初期化・退会の手続きをする。クレジットカードの情報を入力してしまったら、カード会社に電話して利用停止などの手続きをする(同サービスの公式サイトの以前からの注意)

次に読む:最近の偽メール・偽 SMS の傾向と見分け方 / 個人情報が漏れたと連絡が来たときにやること

cuenote.jp から届く迷惑メールに注意

メルマガを受け取っている人に、とくに知っておいてほしいことです。ユミルリンクは 10 月 20 日の注意喚起と 10 月 26 日の第二報で、同社のドメイン(メールアドレスの @ より後ろの部分)を使って第三者をかたる迷惑メールが複数確認されているとしています。第二報に載っている例は次のとおりです。

  • 件名 「ご利用確認のお願い」「利用内容確認のご依頼」
  • 差出人 名前が「セゾンカード」や「SAISON」で、アドレスが info@cuenote.jp のもの

ユミルリンクは、これらのメールは同社とも、名前を使われた第三者とも関係がなく、詐欺の可能性があるとしています。第二報は、この迷惑メールと今回の不正アクセスとの関係にはふれていません。

ここからは、この記事での整理です。メールの差出人の名前(表示名)は、送る側が自由に付けられます。また、配信サービスのドメインから届いたメールでも、そのドメインを使った迷惑メールが出回っている今回のように、本物とは限りません。差出人の名前だけで信用せず、次の順に確かめてください。

不審なメールで見るところ(この記事での整理)
見るところ 今回の例 確かめ方
差出人の名前 「セゾンカード」「SAISON」 名前は送る側が自由に付けられる。知っている会社の名前でも、それだけで本物と決めない
アドレスの @ より後ろ cuenote.jp(メール配信サービスの会社のドメイン) スマートフォンでは名前しか出ないことが多いので、差出人をタップしてアドレスを表示する。名乗っている会社の公式サイトのドメインと違えば、開かずに削除する。同じでも、ほかの点も確かめる
件名と本文 「ご利用確認のお願い」「利用内容確認のご依頼」 利用の確認や手続きを求める内容は、メールのリンクから開かず、ふだん使っている公式アプリやブックマークから会員ページを開いて確かめる
求められる操作 偽の Web サイトに誘導して、個人情報やアカウント情報を入力させる(ユミルリンクの注意) メールのリンク先で、パスワード・認証コード・カード番号を入力しない。入力してしまったら、すぐにカード会社やサービスの公式の窓口に連絡し、パスワードを変える

クレジットカードの利用内容が気になるときも、メールからではなく、カードの裏面に書かれた番号や、公式アプリで確かめるのが安全です(この記事での整理)。

Cuenote FC でメールを配信していた事業者がやること

第二報で、対象のシステムは第一報の 5 から 49 に増えました。複数の企業で使うシステムでは情報漏洩の痕跡は確認されていないとしています。公表の例では、ユミルリンクから報告や連絡を受けたうえで、事業者がそれぞれ自社の顧客への影響を案内しています。

  1. ユミルリンクからの報告や連絡を確かめる。以前に「影響なし」と連絡を受けていても、第二報で対象が増えているので、あらためて確かめる(この記事での整理)。JR の 3 社も、はじめは影響はないと報告を受けていたが、10 月 26 日に漏えいの連絡を受けている。分からないことは、ユミルリンクの不正アクセス専用お問い合わせ窓口(03-6820-0088・平日 9 時〜20 時、support@cuenote.ne.jp)へ
  2. Cuenote のログインパスワードを変え、ほかのサービスで同じパスワードを使い回していればそれも変える。できれば二段階認証も設定する(ユミルリンクのお願い)
  3. 配信のために Cuenote に預けていた項目(メールアドレス・氏名・生年月日・識別番号など)を確かめ、対象になりうる顧客の範囲をつかむ。ユミルリンクも、アドレス帳の項目は企業ごとに違うとしている(この記事での整理)
  4. 自社の公式サイトのお知らせで、事実と問い合わせ先、自社を装うメールへの注意を伝える。公表の例の各社も、不審なメールへの注意と窓口を案内している
  5. 個人情報保護委員会への報告や本人への通知が要るかを確かめる。メールの配信を外部に任せていても、自社の顧客の情報であれば、自社として判断が求められる場合がある(この記事での整理。個別の判断は専門家や委員会の窓口へ)

顧客管理システム「Cuenote BASE」で閲覧できる状態だったのは、同社のサービスの契約者の企業名・氏名・電話・メールアドレスです。配信を担当している社員あてに、ユミルリンクや関係先を名乗るメールや電話が来ても、記載された連絡先ではなく、契約書や公式サイトに載っている窓口で確かめてください(この記事での整理)。

大日本印刷のように、メール配信のシステムとの連携を止める例もあります。連携を止めるとメルマガやお知らせが届かなくなるため、届かない理由を自社のサイトで伝えておくと、お客さまが確かめやすくなります(この記事での整理)。

次に読む:委託先で事故が起きたときの初動(委託先の事故の比較) / イベントのメルマガから情報が漏れた東京メトロの件

技術的な詳細(システム担当者向け)

ここからは、メール配信や SaaS の仕組みを運用している担当者・エンジニア向けです。第一報・第二報に書かれた侵入の流れと対策を、発表の言葉に沿って並べます。

発表から分かる侵入の流れと対策(10 月 26 日の第二報まで)
観点 発表の内容
入口の脆弱性 第二報の表では、Cuenote FC はライブラリの脆弱性、Cuenote BASE はプログラムの脆弱性によるもの
認証情報の窃取 プログラムの脆弱性を使われ、サポート・品質管理の担当者の認証情報を取られた。第二報では、ログインの際のセッション情報を取られて不正にログインされたことも加わった
データの出力 不正なプログラムを置かれ、データベースからデータを出力された。第二報では、不正なプログラムを通じてほかのシステムのデータを参照されたことも加わった
ほかのシステムへの広がり 取られた認証情報で、ほかのシステムへの認証も試みられていた。不正アクセスが試みられたのは、1 つの企業で使うシステム 78 と、複数の企業で使うシステム 3。10 月 25 日 21 時 45 分に新たに 42 システムで不正アクセスとデータの出力の記録を確認
検知 10 月 16 日 6 時 49 分、担当者が自分のアカウントの異常に気づいて調査を開始
封じ込め 不正アクセスを確認したサーバーをすぐにネットワークから切り離した。10 月 18 日には、不正アクセスが特定のデータセンターで起きていたため、予防のため同じデータセンターの全システムを停止(10 月 20 日に順次再開)
再発防止 脆弱性のあるプログラムの修正、担当者の認証情報の削除、不正なプログラムを見つける体制の整備、認証画面と API に接続できる IP アドレスの制限など

この記事での整理です。この件では、社内の担当者(サポート・品質管理)の認証情報とセッション情報が、複数の顧客のシステムへ入る鍵になりました。顧客ごとに環境を分けていても、運営側の共通のアカウントが入口になると、影響が広がります。自社で SaaS を運用している、または使っているなら、次を確かめておきます。

  • 運営・サポート用のアカウントが、どの顧客の環境に入れるか。必要なときだけ権限を与える形になっているか
  • 使っているライブラリの脆弱性を、誰がいつ確かめて更新しているか
  • セッションの有効期限や、IP アドレスでの接続元の制限があるか。管理画面と API は、接続できる場所を絞れるか
  • データベースからの大量の出力(エクスポート)や、見覚えのないプログラムの設置に気づけるログと通知があるか

次に読む:一斉配信サービスで秘密の鍵を取られたアルカディアの件 / IPA が呼びかける不正アクセスの対策

自社で見直すこと

メールの配信のように、顧客のメールアドレスを外部のサービスに預ける仕事は、多くの事業者にあります。預けた先で事故が起きても、顧客への説明は自社にも求められます(この記事での整理)。

  • 顧客の情報を預けているサービスを一覧にする メール配信・フォーム・予約・ネットショップ・決済など、顧客の情報を預けているサービスと、それぞれの事故のお知らせを見る場所、連絡を受ける担当者を控えておく。
  • 配信に預ける項目を必要なものだけにする メールを送るのに使わない項目まで配信のサービスに入れていないかを見直す。大日本印刷のように、パスワードや購入履歴を配信のシステムに持たせていなければ、それらは対象にならない。JR の 3 社の例では、メールアドレスと氏名(カタカナ)に加えて、会員 ID と会員種別も漏えいした情報に挙がっている。宛名や配信先の振り分けに使う項目も、預ければ対象になりうる。
  • 管理画面への入り口を絞る ユミルリンクは再発防止策として、操作画面と API に接続できる IP アドレスを制限しました。使っている配信サービスで、管理画面に入れる場所(IP アドレス)の制限や二段階認証を設定できるかを確かめ、使える場合は設定しておく。
  • 自社からのメールの出し方を公式サイトに書いておく どのアドレスから、どんな内容のメールを送るかを公式サイトに書いておくと、自社を装うメールと見分けてもらいやすくなる。お知らせを載せる手順と担当者も決めておく。

ほかの最近の出来事は 「最近のサイバー攻撃と対策」、別のメール配信サービスでの例は 「ブラストメールの不正アクセス」、続けて備える体制の考え方は 「ホームページの保守」 にまとめています。

作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド

作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。

  • オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 要件を渡せば設計から任せられます。自社に合わせて一から作りたい場合や、撮影・原稿まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
  • 自分で作る(自作) 費用は抑えられます。そのかわり、使っているサービスの事故の情報を追い、お知らせの掲載や安全対策を公開後もずっと自分で続けることになります。
  • 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 構成・更新の仕組み・入口が組まれた状態を実物で確かめ、社名・写真・文章を差し替えて公開します。完成形を先に確認してから決めたい場合に向きます。この記事の集計は、その実際のサイトのデータです。

この記事のデータについて

参考にした外部の資料(27 件)

  1. ユミルリンク株式会社cuenote.jp・2026.10.24 確認
  2. ユミルリンク株式会社ssl4.eir-parts.net・2026.10.24 確認
  3. ユミルリンク株式会社ymir.co.jp・2026.10.24 確認
  4. 野村證券株式会社(野村ホールディングスのサイトに掲載)nomuraholdings.com・2026.10.24 確認
  5. 大日本印刷株式会社dnp.co.jp・2026.10.24 確認
  6. NTTPCコミュニケーションズ株式会社nttpc.co.jp・2026.10.24 確認
  7. 山陽新聞社sanyonews.jp・2026.10.24 確認
  8. 当社システムへの不正なアクセスに関するご報告(第二報)release.tdnet.info・2026.10.26 確認
すべての出典を見る(ほか 19 件)
  1. JR 東海・JR 西日本・JR 九州(ユミルリンク株式会社で発生した不正アクセスに伴うメールアドレス等の漏えいについて)jr-central.co.jp・2026.10.27 確認
  2. エクスプレス予約・スマートEX(【重要】「EX」のメールサービスを装った偽メールやパスワード管理について)expy.jp・2026.10.27 確認
  3. りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行(外部委託先への不正アクセスによるお客さま情報の漏えいの可能性について)resona-gr.co.jp・2026.10.27 確認
  4. 毎日新聞社(お知らせ・会社サイト)mainichi.co.jp・2026.10.27 確認
  5. 外部メール配信サービス運営会社への不正アクセスに伴うメールアドレス等の漏えいの可能性についてmainichi.jp・2026.10.27 確認
  6. メールマガジン等の配信を順次再開mainichi.jp・2026.10.27 確認
  7. メールマガジン等の配信を停止中mainichi.jp・2026.10.27 確認
  8. システム障害でメルマガ等の配信を停止中mainichi.jp・2026.10.27 確認
  9. 宣伝会議(KAIGI GROUP 公式サイトのお知らせ)sendenkaigi.com・2026.10.27 確認
  10. 宣伝会議(PR TIMES のプレスリリース)prtimes.jp・2026.10.27 確認
  11. バンダイナムコエンターテインメント・BANDAI SPIRITS(ユミルリンク株式会社で発生した不正アクセスに伴うメールアドレス等の漏えいに関するお詫びとお知らせ)bandainamcoid.com・2026.10.27 確認
  12. ユミルリンク株式会社への不正アクセスによる情報漏えいの可能性について(サイボウズ株式会社)topics.cybozu.co.jp・2026.10.28 確認
  13. モアコンタクト(株式会社Rise UP)morecon.jp・2026.10.28 確認
  14. 「さとふる」メール配信サービスへの不正アクセスによる情報漏えいについて(会津若松市)city.aizuwakamatsu.fukushima.jp・2026.10.28 確認
  15. 那須町のお知らせ(さとふる)town.nasu.lg.jp・2026.10.28 確認
  16. アニメイト(メール配信サービス「Cuenote FC」への不正アクセスに伴う個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ)animate.co.jp・2026.10.28 確認
  17. ライフカード(外部メール配信サービスへの不正アクセスに伴うお客さま情報漏えいの可能性について)lifecard.co.jp・2026.10.29 確認
  18. インプレス(当社委託先のメール配信システムにおける情報漏えい事案に関するお知らせ・第二報)impress.co.jp・2026.10.29 確認
  19. 朝日新聞社(外部メール配信サービスへの不正アクセスに伴うお客さま情報の漏えいの可能性について)asahi.com・2026.10.29 確認

記事の追加と続報の追記は RSS でもお知らせしています。 RSS を購読する

あわせて読みたい

SITE PICK では、完成したホームページを実物で見比べてから、そのデザインで制作を依頼できます。 すべての完成サイトを見る