最終更新:10 月 24 日 01:50(日本時間)
続報が出たら追記します。
すぐ見る:よくある疑問 / タイムズカーの会員 / 免許証などの画像を預かる会社 / 技術的な詳細 / 経緯
ひとことで言うと
カーシェアの会員の情報と、運転免許証などの画像が外に持ち出された(10 月 23 日の調査結果まで)
- カーシェアリング「タイムズカー」の Web システムの弱点(脆弱性)を突かれ、外から入り込まれた。9 月 25 日に分かり、10 月 23 日に調査が終わった
- 名前・住所・生年月日・電話番号・メールアドレス・運転免許情報が 6,628,007 件。運転免許証などの画像は、外に送られた跡があるものが 1,464,800 件。カード番号の全桁とセキュリティコードは、もともと持っていない
- 画像は暗号化していたので、すぐに中身を見られる状態ではないとしている。運営会社は、画像を「確認が終わったらすぐ消す」ルールに変えた
どうすればいい?
よくある疑問と答え
-
自分は対象?
マイページの「登録情報」から 2 段階認証に進むと、対象の人にだけ赤い枠で中身が出ます。退会した人も対象になることがあります。
→ マイページでの確かめ方 -
免許証の画像は見られた?
画像は暗号化していたので、外に送られても、すぐに中身を見られる状態ではないとしています。ただし、将来読み解かれる可能性は完全には否定できないとしています。
→ 漏れた情報の一覧 -
気をつけることは?
タイムズや警察などを名乗って、SMS の認証コードやパスワード、暗証番号を聞く連絡には応じないでください。運営会社が電話やメールでこれらを聞くことはないとしています。
→ 最近の偽メール・偽 SMS の傾向 -
見舞金はもらえる?
免許証などの画像が外に送られた跡がある人に、3,000 円相当の現金か金券を渡すとしています。渡し方は検討中です。
→ 運営会社が決めた対応 - 退会した人はどうする? 退会者専用のお問い合わせフォームから連絡します。電話は専用ダイヤル(0120-25-8924・24 時間)です。
-
免許証の画像を預かっている会社は?
画像を「持たない・確認が終わったらすぐ消す」方向で見直します。フォームの添付やメールに残った写しも対象です(この記事での整理)。
→ 預かる会社が見直すこと
詳しくは:タイムズカーの会員がやること / 本人確認書類を預かる会社が見直すこと
この記事では、タイムズカーの情報漏洩(Web システムへの不正アクセスによる個人情報の漏えい)について、パーク24 の適時開示と、タイムズカーを運営するパーク24 の子会社・タイムズモビリティの第 1 報〜第 5 報、ご質問と回答だけをもとに、何が起きたのかと、会員・本人確認書類を預かる会社がやることを整理します。
何が起きたか
10 月 23 日の調査結果で分かっていることです。タイムズモビリティは、9 月 25 日の 9 時 07 分に、タイムズカーの Web システムに入り込まれたことに気づき、すぐに調べ始めました。9 月 26 日の 7 時 25 分までに、入り込まれた経路と、攻撃してきた相手との通信を断ち切っています。
外部の専門機関による調査は、10 月 23 日に終わりました。パーク24 によると、Web システムの脆弱性が悪用されていました。攻撃者は入り込んだあと中の情報を探し、そこで得た情報を使って、データベースとファイルの置き場にアクセスしていました。調査の中で、「タイムズクラブ」の Web システムへの不正アクセスも見つかりました。
| 対象 | 中身 |
|---|---|
| 会員の基本の情報 | 氏名・住所・生年月日・電話番号・メールアドレス・運転免許情報。外に送られた跡があるもの 6,628,007 件。タイムズビジネスサービスに「カンタン入会」で入った人の契約情報も同じシステムで管理していたため、駐車場だけ(クレジットカード払い)を契約している人の情報も含まれる |
| 本人確認書類の画像 | 暗号化して保管していた画像のうち、アクセスされて外に送られた跡があるもの 1,464,800 件、アクセスされたが外に送られた跡はないもの 891,602 件(計 2,356,402 件)。運転免許証のほか、公共料金の請求書などの住所の確認書類、学生証(学生プラン)、家族の確認書類(家族プラン)の画像が対象になりうる |
| そのほかの情報 | 法人会員の所属部署名 3,677 件、タイムズカー会員番号 8 件、タイムズビジネスカード番号 113 件、連携サービス ID 4 件、ハッシュ化(そのままでは読み取れない形)したパスワード 4 件 |
| タイムズクラブ | 氏名・住所・生年月日・運転免許情報 5 件、タイムズクラブカード番号 19,510 件、タイムズビジネスカード番号 12 件、連携サービス ID 135,436 件、クレジットカード番号の下 4 桁 28 件 |
| 含まれないもの | クレジットカード番号の全桁とセキュリティコード(もともと持っていない) |
漏れた情報が売り買いされたり、公開されたりした事実は、現時点で確認されていません。
件数は、調査が進むにつれて変わっています。9 月 28 日の第 2 報では漏えいしたアカウントを約 660 万件、9 月 29 日の第 3 報では本人確認書類が漏えいしたアカウントを約 160 万件としていました。10 月 23 日の調査結果で、外に送られた跡がある本人確認書類の画像は約 146 万件と分かりました。連携サービス ID は 9 件から 4 件になり、「WESTER ID」は 0 件でした。
タイムズモビリティが決めた対応
- 本人確認書類の画像を持たないルールへ これまでは、運転免許証などの画像を、会員の間と退会後 7 年間、暗号化して持っていた。これを、登録の確認が終わったらすぐに消すルールに変えた。いま持っている画像は、本人の申し出がなくても 2026 年 10 月末までに消す。
- お見舞い(見舞金) 本人確認書類の画像が外に送られた跡がある人に、お見舞いとして 3,000 円相当の現金または金券を渡す。中身と渡し方は検討中で、決まり次第、対象の人に知らせる。
- 再発防止 見つかった侵入の経路への対策は終えた。同じ構成のシステムの点検と脆弱性への対策、見張り(監視)の強化もした。具体的な強化策は、年内をめどに公表する。
パーク24 は、この件の対応の費用などをふまえ、2026 年 10 月期の通期の連結業績予想を修正するとしています。
タイムズカーの会員がやること
タイムズモビリティの案内です。対象には、いまの会員だけでなく、退会した人や、入会を申し込んだものの入会が終わらなかった人も含まれます。影響を受けた人には、一人ずつ知らせているとしています。
- マイページで確かめる。ログイン → 右上の「登録情報」(パソコンでは「ご登録情報の確認」)→ 2 段階認証 の順に進むと、漏れたことが確認された人にだけ、上の方に赤い枠で中身が出る(10 月 23 日 17 時から)
- 届いたメールに書かれていない情報は漏れていない、とは限らない。メールには、送った時点で確かめた情報を書いているとしているので、マイページの表示もあわせて見る
- 不審なメール・SMS・電話・郵便物に応じず、リンクや添付ファイルを開かない。タイムズモビリティが、電話やメールで SMS の認証コード、パスワード、運転免許証やマイナンバーカードの暗証番号を聞くことはない
- 退会した人・入会しなかった人は、退会者専用のお問い合わせフォームから、退会したときの登録情報を送る(入力から 2 週間ほどをめどに案内するとしている)
運転免許証の画像が外に出た場合について、タイムズモビリティは次のように説明しています。金融機関やカード会社、携帯電話会社が、画像を使ってオンラインで本人確認をするときは、顔写真との照合や IC チップの読み取りなどの確認もある。ただし、なりすましの可能性を完全に否定するものではない。
また、信用情報機関には、本人確認書類の画像の流出などがあったときに、本人が申し出て登録できる「本人申告制度」があると紹介しています。タイムズモビリティはこの制度の利用を勧めたり保証したりする立場にはないとしていて、使うかどうかは本人が決めます。
問い合わせ先は、専用のフリーダイヤル(0120-25-8924・24 時間。かけ間違いに注意)と、タイムズカーのお問い合わせフォームです。
経緯
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2026 年 10 月 23 日 | フォレンジック調査が終わり、第 5 報とパーク24 の適時開示で調査結果と今後の対応を公表。17 時から、会員ごとの漏えいした情報をマイページに掲載。ご質問と回答も更新 |
| 10 月 16 日 | 第 4 報。本人確認書類の画像を持たないルールへの見直しと、10 月末までの削除を公表。調査に時間がかかっているとして、詳しい案内を 10 月 23 日に変更 |
| 10 月 1 日〜2 日 | 退会した人(1 日)、法人会員(2 日)への案内を開始。ご質問と回答を公開 |
| 9 月 29 日 | 第 3 報。本人確認書類が漏えいしたアカウントを約 160 万件と公表し、対象の会員へメールでの個別の案内を開始 |
| 9 月 28 日 | 第 2 報とパーク24 の適時開示。漏えいしたアカウントを約 660 万件と公表し、いまの会員への案内を開始。警察への相談を始め、国土交通省へ一報 |
| 9 月 26 日 | 7 時 25 分までに、入り込まれた経路と攻撃元との通信を遮断。侵害を受けた環境と、関係する環境の切り離しを終えた |
| 9 月 25 日 | 9 時 07 分に不正アクセスに気づく。対象のサーバーを隔離し、問い合わせ窓口を開設。個人情報保護委員会へ報告し、第 1 報で個人情報が漏えいした可能性を公表 |
本人確認書類を預かる会社が見直すこと
ここからは、この記事での整理です。レンタルや会員制のサービス、不動産、人材、中古品の買取りなど、運転免許証などの画像を受け取る仕事は、中小企業にもあります。タイムズモビリティは、なりすまし対策や問い合わせ対応のために画像を持ち続けていました。今回の件を受けて、「登録の確認が終わったらすぐ消す」に変えています。
- 持たない 画像を受け取る前に、本当に画像が要るか、目で見て確かめるだけで済まないかを考える。法律で写しを残すよう決まっている仕事なら、その決まりの範囲だけにする。
- すぐ消す 確認が終わった画像を消す手順と期限を決める。サーバーだけでなく、フォームの添付ファイル、受け取ったメール、社内の共有フォルダやパソコンに残った写しも対象にする。
- どうしても持つなら、場所を絞る 置き場所を 1 か所にまとめ、見られる人を限り、暗号化する。持っている期間と理由を、プライバシーポリシーなどに書いておく。
- 受け付けの仕組みを新しく保つ 今回は Web システムの脆弱性が入口だった。画像を受け付けるフォームやシステムの部品を更新し、同じ作りのほかのシステムもあわせて点検する。
技術的な詳細(システム担当者向け)
ここからは、会員の情報や本人確認書類を扱う Web システムを運用している担当者・エンジニア向けです。第 5 報とパーク24 の適時開示から読み取れる技術的な点を、発表の言葉に沿って並べます。
| 観点 | 発表の内容 |
|---|---|
| 侵入の経路 | タイムズカーの Web システムに存在した脆弱性の悪用 |
| 侵入後の動き | システムに侵入したあと内部の情報を探索し、そこで得た情報を使ってデータベースとファイルストレージにアクセス。「タイムズクラブ」の Web システムへの不正アクセスも確認された |
| 検知と遮断 | 9 月 25 日 9 時 07 分に検知し、対象のサーバーを隔離。9 月 26 日 7 時 25 分までに、不正アクセスの経路と攻撃元との通信を遮断し、侵害を受けた環境と関連する環境を切り離した |
| データの保護 | 本人確認書類の画像は暗号化して保管。パスワードはハッシュ化(漏えいは 4 件)。カード番号の全桁とセキュリティコードは非保持 |
| 調査 | 外部の専門機関によるフォレンジック調査(ログなどの記録から何が起きたかを調べる調査)。10 月 23 日に完了。外部への送信の痕跡の有無で、画像を「外部に送られた」と「アクセスのみ」に分けて数えた |
| 再発防止 | 確認された侵入経路への対策は完了。同じ構成のシステムの点検と脆弱性対策、監視の強化。具体的な情報セキュリティとガバナンスの強化策は年内をめどに公表 |
| 発表に無いこと | 脆弱性の種類・CVE 番号・使われていた製品・侵入後に得た情報の中身・暗号化の方式と鍵の管理。攻撃の手法の詳細とシステムの構成は、二次被害を防ぐため公表しないとしている |
この記事での整理です。この件では、入口の脆弱性のあとに「中で見つけた情報を使って」データベースとストレージに届いています。Web サーバーが破られたときに奥のデータまで届かないよう、次の点を確かめておきます。
- Web サーバーの設定ファイルやソースコードに、データベースやストレージの接続情報(パスワード・アクセスキー)をそのまま置いていないか
- Web システムが使うアカウントの権限が、必要な表・必要なフォルダだけに絞られているか(最小権限)
- ストレージからの大量の読み出しや、外への大きな送信に気づけるログと通知があるか
- 暗号化の鍵が、暗号化したデータと同じ場所に置かれていないか
自社で見直すこと
本人確認書類に限らず、預かった情報は、量が多く、持っている期間が長いほど、事故のときの影響が大きくなります(この記事での整理)。
- 預かっている情報と期間の一覧をつくる フォーム・会員登録・予約・メールなど、どこで、どんな情報を、いつまで持っているかを書き出し、期限を過ぎたものを消す。
- ホームページのフォームの受け取り方を確かめる ファイルを添付できるフォームでは、送られたファイルがサーバーにたまり続けていないかを確かめる。
- 自社からの連絡の手段を公式サイトに書いておく どのアドレスから、どんな内容の連絡をするか、認証コードやパスワードは聞かないことを公式サイトに書いておく。そうすると、自社を装う連絡と見分けてもらいやすくなる。
ほかの最近の出来事は 「最近のサイバー攻撃と対策」、フォームで預かる情報の扱いは 「お問い合わせフォーム」、続けて備える体制の考え方は 「ホームページの保守」 にまとめています。
作り方は 3 つ|完成済み・自作・オーダーメイド
作り方はどれでも選べます。優劣ではなく、向いているケースが違います。
- オーダーメイドで作る(制作会社に依頼) 要件を渡せば設計から任せられます。自社に合わせて一から作りたい場合や、撮影・原稿まで任せたい場合に向きます。SITE PICK でもオーダーメイド制作の相談を受け付けています。
- 自分で作る(自作) 費用は抑えられます。そのかわり、フォームで受け取ったファイルの整理やサイトの部品の更新、事故のときのお知らせの掲載を、公開後もずっと自分で続けることになります。
- 完成済みのサイトから選ぶ(完成済み) 構成・更新の仕組み・入口が組まれた状態を実物で確かめ、社名・写真・文章を差し替えて公開します。完成形を先に確認してから決めたい場合に向きます。この記事の集計は、その実際のサイトのデータです。